槍穂縦走

槍穂縦走 二日目 ~大切戸からの夜明け~

大切戸越え

  

ここから先は安易に立ち入らぬようにと警告する看板が立っている。かなり古いということは昔から事故が多発したことを物語っている。これまで以上に気を引き締めて大キレットに向かおう。

大キレットを示す指導標に従って岩場から下りていく。石屑の道は滑りやすいのでゆっくり進む。右手、西側は笠ヶ岳。昨年の穂高縦走の時とは反対方向になる。獅子鼻岩からの下りは急降下だ。振り返ると獅子鼻岩がまるで落ちてくるくらい頭の上に見えている。
空が明るくなってきた。そろそろ日が昇るのか?

槍穂縦走

ここから槍穂縦走の核心部に入る。さあ、行くぞ!!

  
槍穂縦走

獅子鼻岩からは石屑の道を下っていく。

槍穂縦走

右手前方には笠ヶ岳。日の出とは反対方向なのか、空の青から赤へのグラデーションが幻想的だ。

  
槍穂縦走

振り返ると既に獅子鼻岩ははるか頭上。一気に急降下だ。

槍穂縦走

まだまだ下りていく。滑りやすいので慎重に。

槍穂縦走

岩場の間から富士山と甲斐駒。そろそろだ。


  
槍穂縦走

2日目の夜明け。大キレットの底に向かう途中で日が昇る。

岩の影から日が差してきた。東の空から御来光。まさか大キレットから日の出を見るとは思ってもみなかったな。

これまで同様、常念から蝶のシルエット、その奧に八ヶ岳。見事の一言。

  
槍穂縦走

朝日に照らされる大キレット。こんなところを歩くことができるとは。

そして前方には稜線から東側を赤く照らされた大キレット。その先には長谷川ピーク、飛騨泣き、そして北穂高岳だ。
本当にこの時間にここに来なければ見ることができない景色。これまた運がいい。

それにしても険しい。キレットの最低鞍部までは大丈夫だろうが、その先の長谷川ピークのナイフリッジ、飛騨泣きへの険しい登り、一時も気が抜けない。足下から切れ落ちた岩場、落石など危険の連続だ。
今日の目的地は白出のコルにある穂高岳山荘。まずははるか頭上に見えている北穂高小屋を目指す。何度も何度も気を引き締め直す。

それにしても・・・最高の眺めだ・・・。

  
槍穂縦走

まだ下るのか。ハシゴが見えてきたぞ。

槍穂縦走

長いハシゴを下りる。これでもキレットの底はまだまだ先。

槍穂縦走

急降下も一段落。ここからは朝日を受けて歩く。

  
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獅子鼻岩ははるか彼方。本当にあそこから下りてきたのか?

槍穂縦走

もうすぐ最低鞍部かな。右も左も切れ落ちている。

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ナイフリッジ・・・まではいかないが、銚子ヶ峰や黒部五郎岳など、今まで遠くから見ていた「切れ落ちている」ところを歩いている。
日が昇ってくると赤味が薄らいでだんだんと北穂までの縦走路がはっきりしてきた。


  
槍穂縦走

最低鞍部に向かって進むにつれ、獅子鼻岩も全貌が見えてくる。

槍穂縦走

どうやらここら辺りが最低鞍部のようだ。ここから長谷川ピークに向けての登りが始まる。

  

獅子鼻岩から下ること約30分。どうやら最低鞍部に達したらしい。特に最低鞍部を示すものはないが、あくまでも地形から想像するだけだが。
しかし日が昇ったせいか、とてつもなく暑い。朝6時にして風よけにと着ていたパーカーも脱ぎ捨てる。相変わらず寒さは全く感じない。今日もいい天気になりそうだ。

槍穂縦走

黒部五郎岳とその手前の双六岳。五郎のカールはほんのちょっとだけ見えている。

  

右手後方は先週山頂から大キレットを見ていた黒部五郎岳。そして右手すぐ横は笠ヶ岳だ。よくよく見ると大キレットの切れ落ちた影が笠ヶ岳に落ちている。
そういえば南岳に向かう時に笠ヶ岳に動く灯りが見えた。位置からして杓子平から笠新道を登っている登山者だろう。無事に山頂まで辿り着いたかな。

槍穂縦走

大キレットの影が映った笠ヶ岳。はるか後方には雲海に浮かぶ白山。

  
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最低鞍部からは険しい登り。あそこが長谷川ピークか。

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眼下は右俣谷。そういえば昨日はあそこを槍へ向けて歩いてたんだな。


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