穂高縦走 三日目 ~5年間の集大成~
穂高岳山荘へ
改めて歩いてきた縦走路を振り返る。しみじみ・・・。
方位盤の下に腰を下ろし、ジャンダルムを望みながら行動食を腹に入れる。そういえばまともに食事してなかったな。
到着して1時間ちょっと経っただろうか、馬ノ背付近に人が動いている。双眼鏡で見ると、西穂山荘で一緒だった、今日新穂高まで下山する二人組だ。彼らも遅れて奥穂高岳に無事到達した。
彼らはここから今日中に新穂高まで下山しなければならない。しばらく話をした後、山荘に向けて下っていった。無事に辿り着けますように。
新穂高まで下りる二人組がやってきた。
ガスの中、馬ノ背を難なくクリア。
彼らも無事に奥穂高岳に辿り着いた。よかったね。
一瞬ガスが切れて岳沢が見える。
「西穂」への標識があるが、まさに「難路」だ。
涸沢も一瞬顔を出す。今日はガスがかかったり晴れたり。
到着してから2時間ちょっと、山頂でマッタリ。正午になったのでそろそろ下山することにする。欲を言えば、そのまま涸沢岳から北穂高岳まで行く余裕はあった。しかし敢えて止めておく。午後からの天気のこともあるし、何より北穂までのルートはあまり予習していないためである。さすがにこればかりは行き当たりばったりという訳にはいかない。
今日はガスが晴れたり掛かったりの一日だった。結果として今日は雨は降らなかった。順調に山頂から穂高岳山荘へ下山した。受付を済ませ、ここでもラーメンを食す。やはり山で食べるラーメンは格別だ。
同じ部屋で隣になった若者は3,000mの山の全制覇を目指して登り続けているそうだ。今年は新穂高~槍ヶ岳~南岳~新穂高とい日帰りでピストンしたそうな。ここにも強者が一人。
今日は早く到着したので時間はたっぷりある。玄関に出ると、テントを担いで槍を目指すお兄さんが山荘に入ってきた。お兄さんは早々にビールを求めて売店へ。
今日の実質のゴール地点。奥穂高岳山頂の祠だ。誰もが夢見る西穂~奥穂の縦走路。しかし生半可な気持ちで望んではいけない。改めて思い返すと、十分な体力、山での技術、適切な判断力、そして切れない集中力。これらがすべて揃い、且つ何事もうまくいく運をたぐり寄せてはじめて穂高の縦走が楽しめることを実感した山行だった。
午後になると山頂から下りてくる人の方が多くなる。
今日も常念岳が見える。あそこにも登らなくては。
西穂山荘で一緒だったイケメン兄さんも無事山荘に辿り着いていた。明日は槍を目指すそうだが、どうやら天気が怪しいようだ。明日は再度奥穂高岳に登り、吊尾根から前穂高岳に一旦登り、岳沢から上高地へ下りていく。上高地からはバスを乗り継ぎ、平湯、新穂高と帰ってくる予定だ。明日も崩れるようだったら早出しよう。
と、考えてはいたものの、最終日で予定を変更することになってしまう。これまでの3日間は勘がさえているのか、判断がすべていい方向に向いている。基本は「無理しない」なのだ。
(4日目 穂高岳山荘~新穂高「旅の終わり」に続く)
今日の時間はたっぷり。明日の下山のためにしっかり体を休めよう。