穂高縦走

穂高縦走 三日目 ~5年間の集大成~

岩屑と逆層スラブ

  

次は間ノ岳だ。ここは岩屑の多いザレたルート。足を捕らわれやすく、滑落の危険性も大きい。赤岩岳から下りてくるところでペンキマークを見失った。行く手は基本的に尾根伝いなので歩けるところは限られている。とにかく危険な箇所は避けて前方の尾根らしき箇所に向かって進んでいく。
何とかペンキマークを見つけた。どうやら奥穂からのルートの方がペンキマークが見やすいようだ。今後細心の注意を払わなくてはならない。両側を見ると信州側は崖、飛騨側は岩屑の急斜面になっている。落ちたらいずれもアウトだ。
目の前のピークを目指してどんどん登っていく。頭上にはピークらしきところが見えてきた。斜面が急なので登るたびにすぐに高度が上がっていくのがわかる。ようやくピークに登りきった。間ノ岳はこの先か?

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再度P1を振り返る。次は間ノ岳だ。他の山とちょっと異なる細かい岩屑の山だ。

  
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赤岩岳からの下り。写真が小さくてわかりにくいが、ペンキマークが随所に付けられている。

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足下の悪い中、間ノ岳山頂に向かって奮闘中。

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なんかピークらしきところが見えてきたぞ。あと少し。

  
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だいたい西穂高岳と同じくらいの所まで登ってきたかな?

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空が見えるぞ。どうやらピークに着いたようだ。


景色のいいピークだ。辺りをしばらく眺め写真を撮りおわった時、ふと足下の岩を見てみると「間ノ岳」とペンキで描かれているのを見つけた。
あら? ここが間ノ岳だったんだね。

  
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岩に描かれた「間ノ岳」気がつかなかったら通り過ぎてしまいそう。

このペンキマークを見逃していれば、ここが間ノ岳ということに気がつかないほどだ。しかしどのピークからも360度の絶景。特に昨日と違って今日は天気がいい。西穂高岳から辿ってきた稜線が手に取るように見える。その後ろには焼岳。さらに遠くにはちょっと雲に隠れているけど乗鞍岳。すごい眺めだ。

日はいつの間にか高くなっている。行く手はまず間天のコルへ一気に下り、そこから天狗ノ頭に向かって一気に登る。となると、目の前のピークが天狗ノ頭か。今度もまたきつく、そしてテクニカルな岩稜登行になる。集中力を切らさないように頑張ろう。先に見えるジャンダルムはまだまだだ。

  
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間ノ岳山頂は極めて狭い。しかし眺めは抜群だ。笠ヶ岳をバックに一枚。

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間ノ岳の標高は2,907m。西穂高岳とほぼ同じだが、こちらの方が高く感じる。縦走してきた尾根、バックには焼岳も見えてきた。

  
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上高地には梓川と霞沢岳。霞沢岳にもいつか登ってみよう。

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この先、まだまだ岩稜歩きは続いていく。ひぇ~ここを行くのか。

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日はすっかり昇った。手前の天狗ノ頭の後ろにはジャンダルムの頭が見え隠れ。

  
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これから歩くピーク群。天狗ノ頭から一旦コルに下り、そこからジャンダルムへの登りがキツそうだ。

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拡大してみると天狗ノ頭ピークに指導標らしきものが光る。


  

ルートは間ノ岳から一旦間天のコルに下り、そこから天狗ノ頭に登り返す。間ノ岳からの下りも気が抜けない。間天のコルへの下りは途中鎖が途絶えているので、最後は自分で岩を掴んで下りなければならない。ここは十分な体力はもちろん、技術、気力が必要であることを改めて感じる。

間天のコルに下りて後ろを振り返ると間ノ岳が険しく尖った岩山であることがわかる。その横には点々とペンキマーク。あそこを下りてきたんだ。でもって進行方向を見ると、目の前のピークがこれから登るべき天狗ノ頭。よーく見ると・・・

山頂に標識がある!(とわかったのは写真を見てから)

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間ノ岳を振り返る。なんか天空から下りてきたみたいだ。

  
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ここからだとジャンよりは手前のコブ尾根ノ頭が見えているようだ。

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間ノ岳ははるか上。それにしても逆コースも難儀するな・・・。

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間天のコルに下る。鎖は途中で切れているため、最後は自力で岩を掴む。

  
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かなり下った。間ノ岳の尖った岩の横にペンキマークが続く。

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さて、今度は目の前の天狗ノ頭だ。そのピークに見えるのは・・・。

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おお、標識が見えるぞ!


鞍部の切れ目、梓川をのぞき込むと赤い屋根の建物が見える。岳沢小屋だ。かつては岳沢ヒュッテがあった所だが、2006年に雪崩で建物が全壊し、そのまま廃業となってしまった。その後槍ヶ岳観光が「岳沢小屋」の名で2010年7月に営業を再開。重太郎新道の重要な拠点となった。「岳沢は上高地の奥座敷」と言われる。我々登山者にとっては非常に有り難いことだね。

で、目の前の天狗ノ頭へどうやって登るか? 岩は逆層スラブ。ペンキマークははるか頭上に延々と続いている。途中までは鎖の助けを借りたものの、それも束の間。あとは靴のフリクションを効かせてガンガン登る。しかし雨の日は怖いだろうな・・・。

とにかく無心で登り続ける。息が切れてきたところで青空が見えた。お? 山頂に来たのか?

  
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写真では極小さいが、右手眼下に赤い屋根。復活した岳沢小屋だ。

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ペンキマークに沿って飛騨側をトラバース。ここも落ちたら一巻の終わり。

  
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間ノ岳からここまできた。何とかこの天狗ノ頭を登りきらなければ。

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笠も応援してくれている。さぁ、行くぞ!

  
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さーて、これから天狗ノ頭に登る・・・
が、ここをどうやって登る?

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ここは逆層スラブ。濡れてたらツルツル滑りそう。

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よーく見ると左側に鎖が垂れ下がっていた。これはありがたい。

  
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しかし鎖は束の間。あとは靴のフリクションを効かせ、手掛かり足掛かりを探しながらひたすら登る。

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どんどん高度あがるぞ。しかしまだまだ登る!

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息が切れてきた。そろそろ山頂か? またまたピーク直下の青空。


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