立山連峰縦走 二日目 ~立山の神様に問う~
室堂平
先ほどよりも雲が広がってきた。雨が降ることはないだろうけど、そろそろ室堂に向かって下りていくことにする。ここからは緩やかなアップダウンが続き、稜線に沿って歩いていく。途中で緩やかなピークにケルンがある。どうやらここが浄土山北峰のようだ。立山三山の別山、雄山と比べると何もない寂しい山頂だ。「過去」を表す浄土山だけど、歩く人も少ない。なぜかというと、後でその理由がわかることになる。
北峰を過ぎると行く手に石垣が現れた。明らかに人の手で作られた大きな石垣だ。
ここは明治42年に建立された軍人霊碑。日露戦争で戦病死した富山県出身者2595名(第9師団歩兵第35連隊)を祀ったものらしい。平成17年に一度再建されたそうだ。
先ほどの支柱に室堂と書かれてあったのにね。なぜ間違える!
先のピークにケルンらしきものが見えている。あそこは?
通り過ぎてわかったのが、このケルンのあるところが浄土山北峰。ケルン以外には何もない寂しい山頂だ。
北峰の先には軍人霊碑の石垣
浄土山から富山の街を見守っているんだろうね。
軍人霊碑から先に進むと登山道の様子がガラッと変わる。大きな岩がゴロゴロした急な坂道だ。先に行く女性と子どもたちが恐る恐るゆっくりと下っている。岩にはペンキマークがあるのでルートを外すことはないが、かなり急で危険な箇所もある。室堂平から浄土山にあまり登る人が少ないのはこの急な岩場ルートのためかもしれない。室堂平から登ってきた男性がこの先のルートについて聞いてきたので、急な岩場に気をつけるように伝えた。
間もなく岩場をクリアすると浄土山登山口の標識が立っている。ここを左に行くと室堂山展望台だ。展望台からは立山カルデラが一望できるそうなので機会があれば立ち寄って欲しい。今回は疲れたので展望台はパスし、反対側の室堂平に向かって歩いていく。
軍人霊碑からの岩場の下りは気を抜かないように。大ケガするよ。
右手には室堂ターミナルの赤い屋根。
ここを登れば浄土山登山口だ。
浄土山登山口の標識。「過去」「現在」「未来」の順に歩くのなら、ここから登っていくことになる。ある意味人生の入り口というところか。
下りてきたルートを振り返ってみるが、なだらかな稜線まで直登だ。
こちらは室堂山展望台。今日はパス。
石が敷き詰められた登山道を室堂平に向けて下りていく。行く手にはミクリガ池や室堂山荘が見えている。先ほどよりもすれ違う人たちが多くなってきた。みんな軽装なので恐らく展望台を目指すのだろう。
室堂山荘手前を左折してようやく立山の散策路に入る。もうすぐ室堂ターミナルだ。
まるで石畳のような登山道を歩いていく。とはいっても気は抜かないように。
ここから軽装の人が何人か登ってくる。室堂山展望台へはそこそこの人が目指すようだ。
これはすぐわかった。ヨツバシオガマの花。
こちらは花の終わったチングルマ。なかなか花にお目にかかれない。
周辺の山々の案内図。浄土山へのルートは点線だ。
ちょっと雲も薄くなってきた。今日はずっとこのような天気だ。
北アの展望の図。ここからでも十分景色を楽しめるね。
室堂ターミナルまであと1km。そんなにあるのか?
石段っぽくなってきた登山道。というよりは散策路だね。
目の前は室堂山荘。実質登山はここで終わり。
歩いてきた道。浄土山方面だ。
そして室堂ターミナルはこちら。