立山連峰縦走 二日目 ~立山の神様に問う~
立山雄山神社参拝
さて、立山最後の峰、雄山を目指して出発。
一旦ルートに戻り、改めて雄山に向けてあるき始める。とは言っても、雄山まではさほど時間もかからない平坦な道だ。北側から見上げると神殿が目の前だ。最後の坂を登りきると、左手に大きな鳥居が見える。高台にあるところが峰本社。歩いていくとちょうどご祈祷の時間らしい。急いで参拝料を払うと鈴のついた赤札がもらえた。さっきすれ違った女性がザックに付けていたのはこれだったんだね。ちなみに撮影について聞くと、神殿はいいけど、途中の石段は控えてほしいとのこと。
ザックをデポし、カメラ持参で石段を登っていく。遂に立山の神様の元までやってきた。
雄山神社の神殿が間近に迫ってきた。
ここを登れば神社だ。参拝していかなくてはね。
鳥居の向こうに神殿に続く石段。時間は合ったかな?
ちょうどご祈祷が始まるところ。急いで神殿に向かう。
神殿の前に座り、旅の安全のご祈祷をしてもらう。今日はいい天気で、富士山、白山、そしてここ立山と三霊山が揃った。思えば登山を始めて15年。今後も続けていくのだろうけど、何かの節目に出逢ったような気がする。ご祈祷の最中は何とも心が穏やかになっているのがよくわかった。
二年も続けて途中で山行を中止に追い込まれ、今年も三度跳ね返された。ここまで自分を拒否しているのか、立山の神様に問いたかったのだが、この時間で理解した。恐らく立山の神様は自分を”ここ”に呼んでくれたのだろう。
雄山神社峰本社の神殿。橙の衣を着た神職に旅の安全をご祈祷してもらう。
剱~立山~薬師と縦走する計画では、ここを歩く時は日の出前で神殿のある雄山は素通りする予定だった。しかし今日の天気はこれほどいいのになぜか出発する時はガスと突風。予定変更してここ、雄山に立ち寄る。やはり自分は呼ばれたのかもしれない。
これまで山に入り、大きな遭難や怪我もなく下山できていることに感謝し、今後も無理をしないを心掛けて山に向き合いたいと思う。
最後にお神酒をいただき、もう一度辺りを見回した後で石段を下りていく。ここまで来てよかった。
鳥居の向こうが授与所で、その向こうに一等三角点がある。
神殿は標高3,003m。古来から「立山登拝」としてここに人が集まった。
神殿の横にある雄山頂上。ここから見る剱岳が何とも神々しい。
神殿は1860年に加賀藩が造営し、1995年に解体され、2013年に復元された。旧神殿はホテル立山に展示されている。
授与所から神殿を望む。次のご祈祷が始まるようだ。平日だけど、今日は穏やかな天気なのでやはり人が多いね。
「日本三霊山国幣小社」旧社格は国幣小社らしい。
これだよね。いつも見ているライブカメラ。
なんと、ライチョウに出逢えた。今年はあきらめていたのにね。
歩兵第七連隊 登山記念の石刻と歌碑「立山に初めて立ちし遠つ祖も 涙拭はず祈りましけむ」。
授与所の前でしばしノンビリくつろぐ。
標高2991.76mの一等三角点。点名は「立山」。
休憩後に雄山の三角点に立ち寄る。ここは神殿よりもちょっと低いところにあるけど、ここからの眺めもなかなかのもの。南には一ノ越を経て浄土山、龍王岳、鬼岳、獅子岳、五色ヶ原、鳶山、越中沢岳、薬師岳と延々と続く稜線が一望できる。今日は時間に余裕があるので、一ノ越からは浄土山経由で室堂へと下りていこうか。
ちょっと雲が広がり始めたが、まだまだ絶景は楽しめる。四年前に折立から薬師岳、スゴ乗越、越中沢岳、五色ヶ原と足を痛めながらも雨の中をひたすら歩いたのが思い出されるなあ。あれは三泊四日のかなり厳しい山行だった。
一ノ越から何人か雄山に向けて登ってくる。その先は浄土山。立山三山の中では「過去」になる。その先には五色ヶ原まで未踏のルートが続くが、今日はもう諦め。
雄山神社から後立、北ア。手前の尾根に隠れているけど、こうやって見ると黒部湖は南北に長いね。あの奥の奥が奥黒部ヒュッテか・・・。
一ノ越から登ってくる登山者。しかしこの後、意外な団体に出会う。
2012年に国内で初めて氷河に認定された御前沢氷河。
そういえば針ノ木岳から船窪岳、水晶小屋までの裏銀座、そして表銀座とまだまだ歩いていないところが多いな。