立山連峰縦走

立山連峰縦走 二日目 ~立山の神様に問う~

突風と濃霧

二日目の地図をご覧いただければ今回も薬師へは抜けられなかったのがお分かりいただけるだろう。結論から言えば今年も昨年同様、室堂から下山。なぜに二日目は天気も良かったのに、なぜか? 無事に剱御前小舎に辿り着き、夕食も終えて早々に布団に潜り込んでからのお話。

やはり神経質のせいか、ぐっすりと眠ることはできず目を閉じて布団をかぶって横になっている。暗い部屋の中、なにか騒がしい。風が窓を叩く音が絶えず聞こえている。そして出発する時間。まだ外は暗いが準備をする前に外の様子を確認してみる。そして小屋の外に出ると・・・ものすごい突風だけでなく、辺りはガスに包まれて視界がとても悪い。こんな状態で稜線を歩けるのか? かなり深夜から風の音が聞こえていたので、すぐには収まることはないか。いや、下手に出発して遮るものがない稜線に出たらこの突風で何が起こってもおかしくはない。ちょっと命の危険を感じたので、暗い中での出発は見送ることにする。

今日の目的地はスゴ乗越小屋。予定の時間に出発しないと、明るいうちに辿り着くことは難しい。やはり安全を最優先させ、明るくなってから出発し、天気が良ければ立山を縦走して室堂平へ下りる。昨年と同じになってしまったが、こればかりは仕方がない。
案の定、明るくなった時は既に風も止み、ガスもすっかり晴れていた。今日は立山を縦走して下山だ。三年連続で途中で中止。やはり立山の神様に嫌われているのだろうか?

剱御前小舎を出発するときにスタッフに聞くと、地形上この別山乗越は突風が吹きやすい所だそうだ。しかし自分の判断で出発を延期し、下山を決めたのならそれが正しいとも言われた。
外に出ると剱岳が朝日に照らされている。ちょっと寒い中を別山に向かって登り始める。明るければルートは明瞭なのだが、暗い中かつガスが出ていたら変な方向に行ってしまうかもしれない。改めて初めて歩く所はできる限りいいコンディションでありたいものだと思う。どんどん高度が上がっていく。右手には室堂平、左手後方には剱沢から剱岳がよく見えている。

  
立山連峰縦走

剱御前小舎のある別山乗越より剱岳。遠くには後立。今日は明るくなってから出発。

立山連峰縦走

別山乗越からの剱岳はカッコいいな。

  
立山連峰縦走

剱御前小舎を後にまずは別山へ。

立山連峰縦走

室堂平の向こうは朝日を浴びる薬師岳。あそこまで歩くはずだったんだけどね。

  
立山連峰縦走

これから歩く雄山への稜線。

立山連峰縦走

ここからは室堂平が一望。

立山連峰縦走

所々にケルンのあるルートを辿って登っていく。

  
立山連峰縦走

ここを登ったところが別山。まだ頑張らねば。

立山連峰縦走

剱岳も標高が上がるにつれて険しい八ツ峰が一望できる。手前の剱沢のテン場にはカラフルなテントが一杯。


剱御前小舎を出発してひたすら目の前のピークに向けて登っていく。8月下旬とはいえ、ちょっと風も吹いており肌寒い。およそ25分くらいで石垣のある別山の祠に着いた。

  

空には雲が薄く広がっているが、ここから天気が崩れることはなさそうだ。人影は遠くに数名見えるだけでとても静かな山頂。祠は石垣に囲まれており、立山を訪れる者は雄山、大汝山と縦走し、最後に別山から雷鳥沢へと縦走するのが鉄板コースだそうだ。
ここは別山の本峰。北にちょっと歩くともう一つの峰、北峰がある。

立山連峰縦走

目の前のケルンからひと頑張りすれば別山だ。

立山連峰縦走

残雪期危険の標識。英語とハングルでも書かれている。

  
立山連峰縦走

別山頂上の石垣が見えてきた。

立山連峰縦走

石垣に到着。表に周ってみる。

立山連峰縦走

ここが別山山頂の祠だ。暗かったら何も見えず感動もなかっただろう。ここの標高は2,874m。10分くらい北東に歩くと2,880mの北峰。


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