裏銀座縦走 ~裏銀座大縦走~
日本最後の秘境
もう雲ノ平山荘までは目と鼻の先。だとしたら目と鼻がとても離れた不細工な顔になってしまう。
かつてはテン場へのショートカットのルートがあったようだが、植生保護のためここは通行禁止。木道に沿って歩いていくとハイマツ帯を過ぎて沢の音のする道に出る。途中で木道は無くなるが、しばらく歩いていくとまた木道は現れ、再びハイマツの中に入っていく。
木道は切れ、沢の音のする方向へ。
再び現れた木道。ハイマツ帯の中へ。
スイス庭園への分岐もここはパス。
木道は延々と続くように感じられる。祖父岳から見下ろした雲ノ平山荘はすぐそこのように感じられたが、未だ近づく気配すらない。
途中スイス庭園やテン場への分岐があるが、全く持って立ち寄る元気はない。とにかく今は早く山荘に着きたいことだけだ。
ひたすら続く木道歩き。ようやく山荘が近づいてきた。
どこまで続くんだ、この木道。
よ、ようやく山荘が近づいてきたぞ。フラフラだ~。
ようやくたどり着いた雲ノ平山荘。槍ヶ岳山荘を出発して約9時間。アップダウンの続く山の中をよく歩いたね。チェックインをしようとすると、双六岳で会った男性が既に到着していた。でも彼もここに着いたばかりらしい。
チェックインも終了。とにかく今は何か食べたい。山荘のスタッフに聞くと、今はカレーライスかカップ麺しかないそうな。いやいや、それだけで十分。じゃあここはカレーライスを注文。キッチン槍のカレーと食べ比べだ。で結果はというと、負けず劣らず美味い!! っつーか、結論としては山で食べるカレーは美味いということだ。
今日は疲れた。一息入れてからのコーヒーの美味いこと。今日は宿泊客はそこそこで、週末の割にはかなり余裕があるようだ。
ようやく着いた雲ノ平山荘。古い人はあれっ?と思われるかもしれないが、この山荘は二代目。2010年に新築されたので中はすごくきれい。お勧めはその場で挽いてくれるドリップコーヒーだ。
何か食べなくては。食堂でカレーを注文。
これが雲ノ平山荘カレー。付け合わせはラッキョ。
一息ついた後に挽きたてコーヒーを飲む。これがまた格別だ。
お昼すぎに着いたといっても夕食にはまだまだ時間がある。ここは日本最後の秘境とも言われる雲ノ平のど真ん中。改めて周りの山々を眺めてみる。西から南にかけては祖父岳、三俣蓮華岳、そして黒部五郎岳。
いい天気だ。表のベンチに一人寝転がってしばし青空を眺める。ここから見る水晶岳は双耳峰がはっきりとしていて最も美しい。さすがに秘境だ。ここは一日ボーっとしていたいところでもあるね。この感覚はここまで来なきゃわかんない。
夕食は何と各テーブルに石狩鍋。こんな山の中で鍋をつつくとは思ってもみなかった。十分にお腹も満たされ、あとは寝るだけ。食堂でビデオを流しているようだけど、明日も早い。最終日は今日よりも更に長丁場。歩きに歩いて疲れた体を早めに回復させておかねば。
しかしこんなときこそトラブルは付きもの。果たして予定通り水晶岳に登り、無事に新穂高まで帰ってくることができるのだろうか?