表銀座縦走 一日目 ~感謝と恩返し~
北アルプスの天井から
うどんを食べ終え、部屋に入る。指定の場所に行くと・・・いつもとちょっと異なる光景。大部屋は大部屋なのだけど、それぞれ板で仕切ってあり、小さな電灯が付けられているのはまるでカプセルホテルのようだ。これも感染症対策の一環なのだろう。本当に今年は山小屋も受け入れ体制を整えるのに大変だったと改めて実感する。
さて、今日のミッションその2。目の前の大天井岳に登る。今回はアタックザックを持ってきたので、必要最低限の荷物を入れて小屋を出発。とはいっても、山頂まで10分ほどなんだけどね。
大天井岳は下界からは奥まった位置にあるので、常念岳などと比べると地味な存在らしい。しかし名前の如く、天井から見下ろす景色は素晴らしい。槍の穂先からは左へ東鎌尾根、右に北鎌尾根が延びている。これはいい時に登ったな。
小屋の裏手にある指導標。ここから大天井岳山頂に登っていく。
目の前が山頂。小屋から近いね。
一応、ここが登り口。
岩がゴロゴロしたところを10分ほど登っていく。
間もなく到着。山頂では数人が景色を楽しんいる。
槍をバックに大天井岳山頂。今日の到達最高地点だ。槍から延びる東鎌尾根と北鎌尾根の景色が見事。予想どおり、ここからは360°山々を望むことができる。北アルプスはそれなりに多くの山頂からいろいろな景色を見たけど、場所が変わると全くと言っていいほど山々の見え方が違うのがいいな。
山頂に祠が祀られている。
三等三角点。点名は「天章山」。「てんしょうやま」と読むんだろうね。
まずは常念から槍、穂高、裏銀、立山、剱、そして今日登った燕岳を一望。これだけ見えるだけでもすごいね。
上の写真をちょっと切り取り。明日歩く喜作新道が西岳へと続いているのが見える。
槍穂高を拡大。大キレットはもう一度歩いてみたいな。しかし水俣乗越から東鎌尾根の登りはかなり強烈そう。
常念から蝶ももう一回歩いてみたいコース。特に常念岳はまた登らなくては。
雲が取れて見通しが良くなった。立山連峰。手前には裏銀出発地の高瀬ダム調整湖が見えている
天気のいい中、これだけの絶景に時間を忘れてしまうね。
別の角度から見渡してみる。安曇野一帯に広がる雲海のはるか向こうに薄く八ツが見える。
立山から剱、針ノ木を拡大。昨年歩いた山々がこれだけ鮮明に見えるのはいいね。立山の近くにヘリが飛んでるのがわかるかな?
北アの天井、大天井岳山頂からの眺め。こちらも足元が悪いのでちょっとブレてるけど、絶景を楽しんでね。
今日歩いてきた燕岳からの稜線。さほどアップダウンはないけど、山頂直下から一気に高度が上がったのがわかる。
十分絶景を満喫したのでそろそろ下山。すぐに小屋まで下り、部屋で横になる。
北ア縦走のこの時期はいつも天気が気になるところなんだけど、今年は特に気にせず計画を立てたら見事に晴天だった。台風や豪雨が無い限り、あまり熟考しても仕方ないのかな? しかし晴れたおかげで素晴らしい景色を拝むことができた。
そして夕食の時間。ここでも感染対策のため何班にも分けて案内があり、食事も対面にならないよう座る位置が指定されている。ただその他はいつもと一緒。山小屋も密にならないように施設内を整備し、宿泊者も制限をしているため、例年になく経営が苦しいだろう。自分にできることは宿泊の際はルールを守り、対策を徹底することだ。
大天荘から槍穂高の眺め、手前の稜線は明日歩く喜作新道。
食事の後はサンセットの写真を撮ろうかと思ったけど、久々に重い荷物を担いでたくさん歩いたので疲れてしまった。明日は厳しい北鎌尾根の登りが待っている。暗いうちに出発するので早めに体を休めておくことにする。