剱岳一日目 ~早月尾根から別山尾根~
山頂直下の岩場
やはり先ほどよりか多少頭の中も明瞭になってきた。とは言っても相変わらず足取りは重い。
左手からは小窓尾根の岩峰がだんだんと近くなってくるのがわかる。それにしてもすごい光景だ。岩場もだんだんと険しくなり、ひたすらペンキマークを追いながら山頂目指して進む。
花の終わったチングルマの綿毛。ここら一帯に群生している。
そういえば花は見たこと無いなあ・・・。
何度も何度も見上げてしまう。なかなか近づかないな。
かなり近づいてきた小窓尾根。やはり近くで見るとその険しさに圧倒されてしまうな。背後には白馬も見えてきたぞ。
急登のガラ場は足を取られやすい。
ここでも岩を掴みながら登っていく。
頭上のペンキマークを追う。たまに重い荷物が振られ気味。
何とか標高2,800m地点にたどり着いた。ここでも腰を下ろす。
一旦登り切ったところが標高2,800m。あと200mだ。ここからは右手岩峰の方向にルートが続いている。しかしここからが早月尾根の岩場の核心部。
まずは獅子頭。ここは狭い岩棚を横切っていくのだが、ここは鎖を頼りに慎重に歩いていく。ここを過ぎると右手に立山が顔を出した。感動なのだが初めて見る景色なのでそれぞれの山々の位置関係がわからない。しかしながらすぐにわかったのは遥か遠くの笠ヶ岳。
カニのハサミはいつの間にか通り過ぎていたようだ。最後の険しい岩場を一つ一つクリアしていく。
行く手をたどっていくと何とか山頂を捉えたぞ。
しかしここからが核心部。全く気が抜けない。
現れた獅子頭の岩場。鎖を持ちながら岩棚をゆっくりと歩いていく。落ちたら池ノ谷に真っ逆さま。
恐らく獅子頭とカニのハサミの間。立山が一望できるスポットだ。
こちらも滑落したら命は無い。
剱沢から立山まで一望できるようになった。立山から剱岳を見てみたいなあ。
ここまで高度が上がると、眼下や遠くにこれまで見ることのなかった山小屋が見えてくる。遠くにはランプの小屋で有名な船窪小屋、眼下の剱沢には剱澤小屋、そして立山手前の右手に剱御前小舎。
今後立山連峰に登る人はその位置関係を覚えていたほうが良い。
遠くには船窪小屋がポツリ。一度泊まってみたい。
赤い屋根が剱澤小屋。左手の青い屋根は登山研修所夏山前進基地の建物。