剱岳

剱岳一日目 ~早月尾根から別山尾根~

日本三大急登のひとつ

案の定、一睡もできずにひたすら車内で横になっているだけ。外に出てみるとさっきまで曇っていた空にもたくさんの星が見え始めた。暗い中、LEDライトの灯りで出発の準備をする。情報では、今日の天気は良さそうなものの、明日から崩れるようだ。数日前は最終日までなんとかもつ予報だったけど、台風一過とはいかないらしい。

  

出発は馬場島荘玄関の登山届ポストから。昨年と同じ場所からのスタート。このルートのナイトハイクで怖いのは熊。早月尾根はもちろんのこと、夜は馬場島への県道333号でもたまに出るという話も聞く。熊鈴は昨年の朝日岳~栂海新道の時と同様、二つ音の異なるものを持参し、絶えず音を出しながら歩く。

昨年はいざ出発というところで外を見ると雨。急いでレインを着込み、びしょ濡れになりながら真っ暗な山道を歩いたっけ。
今日は晴れ。コンディションはいいはずなので何とか山頂まで歩いていきたいが、思った以上に荷物が重いかな・・・。
空を見上げると偶然にも流れ星が一筋。幸先良さそうだぞ。

剱岳

馬場島荘玄関のベンチから出発。昨年と同じ場所から再チャレンジだ。

  
剱岳

早月尾根はこれといった水場が無いため、十分な水を持っていかなければならない。しかもピストンではなく3日間の縦走なので行動食や非常食もそれなりに持っていくと、どうしても荷物が重くなってしまうが、今回はそれが裏目に出てしまった。

鈴を鳴らしながら登山口に向かう。山に一礼していよいよ出発だ。

剱岳

ヘッデンの電池も満充電。灯りの照らす先にいきなり急登の登山道が続く。


  
剱岳

まずは標高1,000m。馬場島から約1.0kmの地点。

登山口から急登が続くが、一旦登り切ると平坦な道が続き、緩やかな登り→平坦が暫く続く。この早月尾根は日本三大急登の一つ(正確には「北アルプス三大急登」で、他の二つは烏帽子岳のブナ立尾根と燕岳の合戦尾根)なんだけど、このままではなんか拍子抜け。しかしそんな心配はご無用。松尾平まではこんな感じなのだが、その後は地獄の急登が続く。

ここ早月尾根は標高200m毎に標識が埋められている。まずはこれを目標に登っていくのだが、なかなか標識が出てこないとちょっと焦ってしまう。まあ、辺りは真っ暗で視界に変化がないのは仕方のないこと。ひたすら淡々と急登を進むのみ。

  
剱岳

ようやく標高1,200m。早月小屋までまだ1,000m登らなくてはならない。

剱岳

まだ標高1,400mか・・・。

剱岳

標高1,600mの標識は大木の下。

  
剱岳

東の空から月が昇ってきた。よくよく見ると先にオリオンも昇ってきている。そんな季節か・・・。

剱岳

何とか撮れた。この時の月齢は25.7。

  
剱岳

ここでザックを下ろす。かなり疲れた。

標高1,600mの地点がまず第一の目標。ここで一旦ザックを下ろして小休止。ここまでいいペースで登ってきているが、さすが北ア三大急登。延々と続く急登は息が切れてしまう。

ここで十分休憩を取りたいところなのだが、そうもいかない。今日は長丁場なので、まずはこのペースを保って次の目的地の早月小屋へ行かねば。空を見上げると下限から三日月へと移っていく月が東の空から昇ってきた。満月なら月の光でもうちょっと辺りも明るいだろうけどね。

1,600m地点から再出発するが、この後、体に異変を感じることになる。

  
剱岳

標高1,800m。この辺りから変な汗が出始め、息が切れてきた。

剱岳

場所的に1,920.7m地点の三等三角点。点名は「気和平」。

剱岳

かなり時間を要してしまった。標高2,000m地点。


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