剱岳

剱岳一日目 ~早月尾根から別山尾根~

早月小屋の朝

1,600m地点を過ぎてからだろうか、体に疲れが溜まり、息が切れてきた。何よりも頭が少し痛いというか、ボーっとしている。やはり出発前一睡もできなかったということから睡眠不足が原因なのだろうか。ペースは格段に落ちてしまった。
何とか1,800mにたどり着くが、その後もなかなか体調は回復しない。ハイドレーションから水を一口含んでみても、わずかに吐き気も感じるようになってきた。厄介なのは全く歩けない訳ではないこと。たまに足が止まってしまうが、また歩き続けることはできる。こんなことで山頂、いや、早月小屋までたどり着けるのだろうか?

  

早月尾根は短い距離で一気に標高が高くなるのだが、まだ2,000mにも満たないのに高山病とは考えにくい。何よりも高山病にはなったことがないのでちょっと焦ってしまった。

日が昇り、辺りは明るくなってきた。左手には毛勝三山が見えている。もうちょっとで早月小屋のはずなのだが。

剱岳

早月尾根は山頂の西側なのでご来光は臨めず。左手の池の谷側の向こうには釜谷山、猫又山、毛勝山の毛勝三山。

  
剱岳

早月小屋手前の岩場に差し掛かる。

剱岳

所々にフィックスロープ。

剱岳

こんな岩の上を這うように登っていく。


  
剱岳

朝日に照らされる毛勝三山。左から釜谷山、猫又山、右手奥が毛勝山

フィックスロープのある岩場を登りきると、ちょっとした広場に出る。その先には赤い屋根の早月小屋だ。ようやく着いた・・・。
広場から少し下りると早月小屋。予定時間を大幅に超えてしまった。何はともあれ、ザックを下ろして腰を下ろす。

  
剱岳

ようやく見えた、早月小屋の赤い屋根。山頂も近くなったなあ。

  
剱岳

小屋の周りはひっそりとしていているが、部屋の明かりがついているので宿泊客はいるようだ。しばらくすると数人の宿泊客が外に出てきて出発の準備をし始め

さすがに標高2,200mの早朝は肌寒い。ここで少し行動食を腹に入れる。シャリバテ気味が原因なら多少は回復するだろうか。

剱岳

早月小屋に到着。もっと大きな小屋のイメージがあったけど、予想以上に小さな建物だ。昔の「剱 伝蔵小屋」の看板がまだ掛けられている。


  

早月小屋から剱岳山頂は見上げるようになる。これまで暗い中を歩いてきたので、馬場島からの景色を思うと、かなり近づいたんだと感じるが、まだまだ山頂は先の先。そして左手には険しい小窓尾根。あんなところは自分は近寄ることさえできない。
もうちょっと休憩していたいが、あまりゆっくりしても体がどんどん冷えてくるので、早々に出発することにする。しかし、やはりこれも裏目に出てしまった。

  
剱岳

早月小屋からは小窓尾根の一部と山頂が見える。

剱岳

馬場島から5.4kmか。よく登ってきたなあ。山頂へはあと2.9kmだ。

  
剱岳

早月小屋のテン場から登山道は続く。

剱岳

小屋に別れを告げて山頂に向かう。昨年お世話になった方もここのスタッフ。また来たときはここに泊まろう。


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