栂海新道二日目 ~日本海への旅路~
長い旅路の果て
坂田峠より北はかなり登山道がきれいに整備されている。これなら普通にハイキングもできそうだ。しかし疲れた体にこの緩いアップダウンはかなりキツイ。
するとまたまた舗装路が交差するのが見えてきた。この道も車は通行できそう。地図では坂田峠への林道ともつながっており、東は麻尾山方面へと延びている。
舗装路を越えて再度山の中に入る。ここからもアップダウンは激しい。途中で歴史ある二本松峠に出る。ここも坂田峠同様、山廻りのエスケープ道だったそうだ。
曇りのせいか、樹林帯の中もかなり暗くなってきた。下手するとヘッデンが必要になるかも。入道山を過ぎると今度はひたすら下る。だんだんと国道を走る車の音も聞こえるようになってきた。しかし登山道は大きくカーブしているせいか、なかなか登山口に近づかない。
途中でこのルートで大丈夫なのか? 枝道に迷い込んだんじゃないのかと心配になったが、ちゃんと栂海新道と書かれた標識が立っている。今歩いているところで間違いはない。
ひたすら暗い道を下っていくと、右手に並行して国道が間近に見えてきた。もう登山口はすぐそこだ。
地味に登って地味に下る。これがまたキツイんだ。
登山道はきちんと整備されているからいい方。
こんな小さな標識でも見つけるとホッとする。
またまた舗装路。坂田峠からの林道にも繋がる。
ここからも二本松峠に向けての登り。
山の中の静かな二本松峠。栂海新道が開通する前は忘れ去られていたそうな。かつては越中と越後の間は難所。歴史的に由緒ある峠だったんだね。
二本松峠の説明がかかれてある看板。
栂海新道は日本海へと続く。
樹林帯の中はだんだんと暗くなってきた。
入道山の標識。地図では山頂はここから南西のところらしい。
ルートをロストしたかと思ったけど、ちゃんとルートを歩いていた。
舗装路に合流。これは新しい林道のようだ。
ここから後は下るだけ。あと少し。
ようやく国道が見えてきた。この先が登山口。
右手には国道8号。ようやく、ようやく栂海新道登山口に到着した。目の前の石段を一歩一歩下りていく。そして国道8号線天険トンネルの出口にある駐車帯に下り立った。真っ暗な中、朝日小屋を出発し、その日の夕方に登山口へ辿り着いた。現在の時刻は17時35分。ほぼ日の入り時刻だ。
感動、達成感というよりもフラフラの体でよく下りてこられたなとしみじみ思うのみ。まあ、得てしてこんなものかもしれない。これまでの山行はスタートが山の中でゴールも山の中。しかし今回のゴールは海だ。これもこれまでの山行とは違った感覚。しかし長い旅路の果てはこれからだ。
ここを進めば登山口だ。ようやく来たぞ。
石段をひとつひとつ下りる。
これが栂海新道登山口。
ようやく到着した登山口。汗びっしょりでフラフラ。想像はしていたが、それ以上に厳しい道だった。後から思えば楽しくもあったね。
栂海新道はこれで終わりではない。あそこへ行かなくては。
それにしてもよく頑張った。歩きに歩くことほぼ17時間。今までこれだけ歩いたのは、中央アルプスの空木岳、南駒ヶ岳、越百山を一日で周回したときくらいか。
メジャーな山々は無く、標高も最も高いところで2,400mちょっと。岩場なども無くて派手さはない。しかし厳しい道だ。しかしながら、これが登山者憧れの道であることもわかるような気がする。これは歩いた者にしかわからないのかもしれない。
そしてここは標高80m。目的の終点は日本海の海抜0mだ。