栂海新道

栂海新道二日目 ~日本海への旅路~

栂海山荘から日本海

  

途中で水場への分岐があったけど、水は十分。何よりも余分な時間と体力を使いたくないのでここはスルーする。

汗をかきながら前へ前へとひたすら登山道を進む。斜度が緩くなったかなと思ったらそこが犬ヶ岳だ。サワガニ山から見たとおり、ピークというよりは登山道の途中って感じだ。しかしここからの眺めもいい。遠くの妙高、雨飾や立山、剱といった山もいいけど、何より朝日岳から黒岩山、サワガニ山と歩いてきた道、そして眼下の栂海山荘の赤い屋根から菊石山、下駒ケ岳、白鳥山とこれからあのアップダウンを歩くのかと思うと恐ろしくなるほどの道。

栂海新道

犬ヶ岳に到着。この直下には無人小屋の栂海山荘がある。よくぞここまで来た。

  
栂海新道

ここは二等三角点。点名はまんま「犬ヶ岳」。

栂海新道

眼下に見えるのは栂海山荘の赤い屋根。遥か遠くに日本海。

  
栂海新道

ここからも360°遮るものはない。何より日本海を俯瞰しながらここまで栂海新道が見渡せるのは素晴らしい。


目的地の栂海山荘はすぐそこ。犬ヶ岳から下りていくと、途中で栂海新道を拓いた小野建氏の碑がある。日本海と朝日岳を繋ぎたい一心でこの道を切り開いた人たち。尾野氏は2014年3月17日に逝去。享年81歳だった。一度お会いしてみたかったなぁ。

  
栂海新道

あそこが栂海山荘だ。誰かいる?

栂海新道

途中で栂海新道の開祖、小野氏の碑。そっと手を合わせる。

栂海新道

栂海山荘に到着。裏手に雨水を貯めるドラム缶。

  
栂海新道

何か岩に埋められていると思ったら・・・

栂海新道

恐らく遭難碑でしょう。

栂海新道

緑と赤で塗られた栂海山荘。無人小屋とはいえ40名ほどが収容できるらしい。ここで日本海を望みながら丸一日静かに過ごしてみたいとも思ってしまう。

  
栂海新道

この山々を抜けて日本海に至る。山を歩く者にとって栂海新道が憧れであることがよく分かる景色だ。

栂海新道

今は誰もいない山荘。宿泊の際は協力金を。

  

無人小屋とはいえこれだけきれいにされているのは、さわがに山岳会の方々がしっかりと管理されているからだろう。小野氏をはじめ、山岳会の努力によって自分も栂海新道を安全に歩くことができている。

栂海山荘の広場にいた男性が犬ヶ岳はどこかと聞いてきた。

栂海新道

栂海山荘の広場からも遠くに剱岳が見える。

  

すぐそこですよ、と教えてあげると、彼はその先へ向かって登っていく。またここで朝日小屋に向かうソロの女性にも出会った。このルートを登るなんて凄い健脚さん。しかし明日は台風が直撃するかもしれない。この先お気をつけて。

さて、自分はこの先どうするか。時刻は8時半を過ぎたところ。これなら十分白鳥小山で行けそうだ。そしてその先の日本海へ今日中に・・・。いやいや、白鳥小屋に着く時刻でその先を決めよう。
うまくいけば明るいうちに海岸までたどり着けるかもという淡い期待を抱いて栂海山荘を後にする。

栂海新道

手書きの「← 日本海 白鳥山」の指導標。ここから白鳥山まで地獄の行程が待ち受けているとはな・・・。


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