奥黒部周回

奥黒部周回一日目 ~雨と風の稜線~

台風直撃のはず

今年の7月、KUMAクンと御嶽飛騨頂上に登った後の濁河温泉での反省会と夏山計画の検討会。露天風呂に浸かりながらKUMAクンが今年の夏山の計画を話す。どうやら今年の目標は鷲羽岳らしい。どうやら新穂高からのピストンを考えているようだが、ここら一帯の黒部五郎岳、三俣蓮華岳、水晶岳といったらよく歩かれる、いわゆる西銀座ダイヤモンドコースだ。ちなみにこのコースは有峰湖の折立を起点とし、太郎山、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、双六岳から西鎌尾根を経て槍ヶ岳へ登るコース。
その話が聞こえたらしく、一人の男性が話しかけてきた。KUMAクンの予定コースを聞いたところ、やはりいっそのこと折立から入山し、西銀座ダイヤモンドコースを経て三俣蓮華岳から鷲羽岳に登ったら? とのアドバイス。そう、最も最短のルートはそうだろう。かなり山に詳しい人で、その他いろいろ話をしていく中で、一つ聞いてみた。
「折立から入って薬師岳に登り、五色ヶ原から立山方面に向かわず黒部湖へ。渡し船に乗って読売新道から赤牛岳へ。水晶岳手前で高天原に下り、大東新道で薬師沢。太郎兵衛平に戻り折立に下山する周回はいかがでしょう?」
「お~いいですね。でも長丁場なので四日は欲しいですね。」とのお言葉。
これで今年の北アルプス山行のルートは決まった。思えば昨年は北アルプスど真ん中とはいっても人気のある雲ノ平や三俣蓮華岳、鷲羽岳と、そこそこ人がいた。今回のルートは本当の本当に黒部の奥の奥。そして最も近くは北ノ俣岳から目の前に鎮座してた薬師岳にも登る。また昨年、水晶岳山頂直下で岩に描かれていた「赤牛岳」の文字。これを見て無性に更に北へ歩いてみたくなった。今回は北から南下するが、読売新道は長く厳しい山行になるだろう。問題はタイミング良く連続して夏休みを取れるかということだ。


  

職場が新しくなり、そこそこ仕事も捌いてはきたのだが、やはり追いつかないものは追いつかない。仕方なく夏休みは一週間延期。そして週明けようやく休めると思ったら今度は台風が東海地区を直撃という何たる不運の連続。仕方なく日程を一日ずらすことにしたのだが、木~日曜日の四日間となり、一日のマージンは消えてしまった。仕事優先だからしょうがない。
入山する前の日に自宅を出発するときはひどい雨と風だったが、高山まで来ると雨は止み風のみが残る。台風直撃のはずがなぜか天気は良くなり、青空まで見えてきている。北ノ俣岳登山口横から飛越トンネルに入り、トンネルを出るとすぐに料金所だ。

  

料金所で止まり有峰林道が初めてだと告げると、おじさんがこの先のことをいろいろ教えてくれた。折立まで約1時間、道も細い箇所があるから気をつけて、看板があるから迷うことはない、など地図が描かれているパンフレットも頂いた。
何とこの料金所を本日通過するのは自分が初めてだとか。平日だし、みんな台風で控えたのだろうか。

奥黒部周回

まずは高山から有峰林道に向かう。台風の影響はほとんど無さそうだ。

奥黒部周回

飛越トンネルに入る。左側が黒部五郎岳に登った時の北ノ俣岳登山口。


  

道なりに有峰林道を進む。グネグネの道をひたすら進むと右手に有峰湖が見えてきた。対岸の向こうには雄大な山並み。あれは・・・薬師岳だ。西側から見るのは初めて。雲は厚いけどこの分なら天気もさほど崩れることは無さそうだ。
長い信号を待ち、ダムを過ぎて今度は上り道。たまにトラックや作業車が通るのみ。そして車が十台も停まっていない折立の駐車場に到着。熟睡は期待できないが、とりあえず時間を潰して食事後に仮眠を取る。たまに真っ暗な空を見上げると満天の星空。よし、天気は大丈夫。後は自分の体力勝負だ。
と、この時点では思っていたのだが、今回はこれらが全て覆されることになってしまうとは・・・。

  
奥黒部周回

ダムを渡るところの信号。待ち時間が長いのでエンジンオフ。

奥黒部周回

有峰湖の対岸の奥の奥。彼方に見えるのが薬師岳。明日はあそこに登る。ちょっと雲が厚いけど青空も見えている。

  
奥黒部周回

ここもある意味秘境。有峰ダムと有峰湖を見下ろす。8年間高山に住んでいたけど、ここを訪れることはなかった。ちなみに有峰ダムはダムカードは無いらしい。

奥黒部周回

ガラガラの折立の駐車場。一番近い所が空いていたが、よくよく見ると障がい者マークの看板。後ほど移動しましたよ。


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