
大日三山縦走 二日目 ~大いなる日輪~
どこまで歩けるか
日陰がない中、休憩を十分取った後に称名滝を見に行く。ここから舗装路に沿って緩い坂を上っていくのだけど、疲れた体には地味にきつい。しばらく称名川に沿って歩いていくと、水しぶきが漂うのが見えるようになってきた、更に進むと目の前に、いや頭上から落ちてくくる雄大な滝が見えてきた。あれが有名な称名滝だ。称名川に架かる橋から全景が十分見えるのでいいのだけど、遊歩道は更に上へと続いている。どうやらここを上がったところが展望台のようだ。これまた地味にきつい階段を重いザックを背負ったまま進む。そして展望台からの称名滝。観光地なのになぜか人がほとんどいない。平日はこんなもんかなあ。まあ、この暑さだと外を歩くのは嫌になるかもね。

登山口と反対側にある木のベンチに座ってしばし休憩。汗が止まらない。

ここから称名滝へ向かうぞ。

称名滝の説明看板よりもその下の熊出没注意!!が気になる。

水しぶきとともに滝が見えてきた。

称名川を渡り、その先の展望台へと上がっていく。

ここが一番上の展望台。当たり前だけど、バスの滝見台から見るのでは迫力が違う。落差は350mで、名称は滝の轟音を「南無阿弥陀仏」という称名念仏の声と聞いたことに由来すると伝えられているそうだ。

ミヤマシシウド。漢字では「深山獅子独活」。

これはイタドリだね。漢字では「虎杖」。

ノコンギクの花。あちこちに咲いている。
登山後のちょっとした観光で、滝見物を十分楽しんだ後に来た道を引き返す。途中で八郎坂への入口があるが、通行止の看板とバリケードがあり、その先へ行くことはできない。しかし今の体力なら称名平から大日岳、奥大日岳から室堂と周回するルートを選ばなくてよかった。今日はこの後どこまで歩ける?と聞かれたら、ちょっとこれ以上は難しいだろう。
ゆるい下り坂を歩いていくと、車止めの向こうにレストハウス称名が見える。バス停はどこだろうと周辺の案内看板を見てみると、この先の駐車場らしい。更に先に進むと称名平休憩所の奥にバス停があった。立山駅前行きの時刻を確認してみると、次の便は11時。今は10時45分。これを逃すと次の便は13時10分なのでちょうどいい時間にたどり着いたことになる。
しばらくするとバスが来て、約15分ほどで立山駅に到着。これで今回の山行は無事終了。久しぶりの立山界隈はいい旅だった。このまま車を運転すれば夕方頃に自宅に着くだろう。
と、ここまではよかった… ここまではね。

称名滝から来た道を戻る。

八郎坂へと続く道。橋の先で通行止だ。

舗装路を進むと車止め。一般車両はここまでだ。

車止めの向こうはレストハウス。お昼ご飯にはちょっと早い。

バス停はどこだ? これはちょっとわからん。

この辺りの地図だ。この先の駐車場にバス停があるらしい。

バス停発見。立山駅前行のバスはここから発車する。

次の便は15分後。それを逃すと2時間10分待ちだ。

バスが来た。車内は冷房が効いて天国。

称名平から立山駅へとしばしバスの旅。

もうすぐ立山駅だよ。

立山駅に到着。2日間お疲れさまでした。

今回停めたところは日陰。これだけでもラッキーだ。
無事に自宅に戻り、その日の夕食も後片付けも済んだ。次の日は仕事で出勤するのだけど、なぜか体が痛い。特に二の腕辺りがビリビリと痛みが取れない。ここのところトレッキングポールを使っておらず、今回は2日間ともポールを使いっぱなしだったので、さすがに腕の筋肉に負担がかかったのだろうと思っていたが、この痛みはいつもの筋肉痛とは違う。しかも仕事をしていてもなぜか体がだるく、これは熱中症寸前になったダメージかとも思われた。
次の日、朝起きたら喉がちょっと痛くて咳も出る。二の腕は相変わらず痛く、体が熱っぽく倦怠感がひどい。仕事を早退し、かかりつけの医者に症状を伝え車内で検査をしたところ、何と新型コロナウイルスが陽性と出た。薬を処方してもらい、帰宅したものの、熱は38℃の半ばで頭痛もひどく座っているのもきつい。良かったのはたまたま三連休が続いたことで、その間じっくり休養する。翌週は残りの夏休みを消化する形で自宅療養。在宅勤務を経てようやく体が動けるようになったけど、喉の痛みが続き声がかすれて全く出ない。陽性と判明してから3週間経った今も声がかすれて多少倦怠感も残っている。
いつどこで感染したのかは不明だけど、猛暑だったとはいえ、かなり体がきつかったのは出発時に既に感染していたのかもしれない。長期の登山は体にダメージを受けるとともに、免疫系も一時低下するようだ。その隙にコロナウイルスが体を蝕んだのか。
今回の山行で体を慣らし、暑さがおさまった10月の上旬から本格的に北アに向かおうと思ったのだけど、思わぬ災難に遭ったようで、今年の北ア山行はこれでおしまい。なかなかうまくいかないもんだ。