
大日三山縦走 二日目 ~大いなる日輪~
熱中症寸前?
十分休憩を取り、ザックを担いて出発する。ここからは緩やかな下り坂を木道に沿って歩いていく。辺りは視界がひらけた湿原だ。相変わらず暑いけど、景色が素晴らしいので気分良く歩いていく。
弥陀ヶ原と大日平は2012年7月にラムサール条約に登録されたところ。ラムサール条約とは、正式には「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」で、湿地の保存に関する国際条約。自分は全く知らなかったよ…
しかし何度も書くけど、暑すぎる。9月に入ってこの標高でこの暑さな何なんだ?

大日平山荘を出発。頑張って歩こう。

ここからも町並みが見えるんだ。

湿原の中に続く木道。緩やかな下りなので軽快に進んでいく。行く手の景色も最高だ。なんて贅沢な登山道なんだろう。登山口の称名平からかなり体力使うけど、ここを歩くだけでも価値があると思う。

ラムサール条約登録が書かれている。

しかしこの暑さ。標高が高いのだけど、涼しさを感じない。

ちょっとの間だけど、日陰に入った。

延々と続く木道。しかし全く飽きない。

暑い中、ひたすら木道を歩いていく。ここまで整備するにはかなりの労力だっただろう。この湿地帯や景色を残すためにはこれ以上手を付けない方がいいのかもね。こんな湿地の中を歩くことができるだけでも至福のひとときだ。

左手は称名川を挟んで弥陀ヶ原。かつては弥陀ヶ原に通じる吊り橋があったらしい。

そろそろ木道歩きも終わりかな。
木道が切れると同時にステンレスの梯子が現れた。ついに湿地帯から離れて牛ノ首の急坂に差し掛かる。梯子を下りた後も急坂が続く。昨日、大日平からの下りは注意するようにという室堂ターミナルでのアドバイスはこれだったんだ。なんか天空から一気に落ちていくようで、ちょっとでも気を抜くとただじゃ済まなさそう。登山道としては普通なんだけど、斜度の急な坂の下りでいつもより足の置き場やその先の様子を確認しながらゆっくりと下りていく。それほど危険な下り坂だ。
高度は一気に下がるが、それに連れて暑さもどんどん増していく。途中ですれ違った人からは、登山口はもっと暑いと言われた。体力がどんどん奪われていくのがわかり、どこかで休憩せねばと思ったら、先に木のベンチが現れた。たまらずザックを下ろしてベンチに座り水分補給。たどり着いたのは猿ヶ馬場と呼ばれるところ。ベンチに座るも日陰を選ぶほど体がヘトヘトで、まるで熱中症寸前みたいだ。しばらく息を整え、汗を拭いてじっくり休憩する。
多少は楽になり、再出発。地図で確認すると、牛ノ首からの称名坂はまだ3分の1も進んでいない。しかも急坂はまだまだ続くので、マイペースでゆっくりと注意しながら下りていく。かなり先へ進んだろうか、傾斜も緩くなってきて、先程から聞こえている沢の音も大きくなってきた。多少は安心して歩いていくと、目の前に舗装路。あれ? どこに出たんだ?と、舗装路に下りて振り返ると、ここが登山口だった。舗装路は称名平の駐車場から称名滝へと続く道だ。暑い中、よく頑張ったな。しかし昨日同様、コースタイムはほぼ計画どおり。フラフラなのに意外だったよ。

木道が切れると同時に激下りが始まった。

所々に設置されているステンレスの梯子。下りるのに気を使う。

鎖場も随所にあり。かなり危険な登山道と化す。

休憩せねば倒れてしまいそう。そのくらい暑い。

たどり着いたところは猿ケ馬場。

猿ケ馬場のベンチで休憩。多少なりとも日陰のあるところに座る。汗が滝のように吹き出て体がヘトヘト。まるで熱中症寸前だ。今思うと、無理してそのまま歩き続けていたら危なかったかもしれない。

まだまだ続く急坂。ゆっくりとマイペースで。

ヤマハッカに似た紫の花。

おや? 舗装路が目の前を横切る。

下りてきたのは大日岳登山口だった。バテバテだし、もうちょっと時間がかかると思ったけど、コースタイムの計画よりちょっと早いくらいだった。やはり登山口となるとこれまで以上に暑い。ちょうど座るところがあったので、ザックを下ろして残ったお茶とパウチ飲料を飲み干す。

なにはともあれ無事に下山したよ。

いい縦走だった。逆コースは厳しすぎて自分には無理かも。