
大日三山縦走 一日目 ~大いなる日輪~
ランプの小屋
奥大日岳から本ルートに戻る。ここから先はガスの中であたりの景色は望めない中、ひたすら踏み跡をたどって今日の宿泊地、大日小屋を目指す。地図を見ると、奥大日岳から約200mの標高差を下り、そこから約100m登り返す。さほど厳しい急登でもないのだけど、なぜか体にこたえてしまう。
しばらく頑張って歩いていくと、ガスの中に巨石群が現れた。ルートはこれらの巨石を巻くように続いている。どこに来たんだ?と思っていたら、足元に「七福園」の標識がある。かつては修験者らがこのあたりの岩穴で修行した場所らしい。天気の晴れたいい日に訪れると、なんていい場所で修行したんだろうと思うけど、一旦天気が悪くなり、夜になると修行にはかなり厳しいところなのだろう。

かろうじて登山道は明瞭だけど、辺りはガスで景色は望めない。

またまたルート上に池塘。ここは右へ巻く。

もうここは秋か。ナナカマドの赤い実。

コルから再度高度を上げる。大日小屋まではまだまだだ。

ここはちょっと危険。狭い足元の鎖場だ。右側は切れ落ちた谷。

恐らく大日小屋は目の前のピークのそのまた向こうだろう。

立山にある指導標。ここに書かれている番号が現在地を示すのだろう。

ガスの中に岩場が見えてきた。まさかあそこを登るのでは?

ここは七福園だった。古びた標識が立っている。

かつて修験者たちが修行したところらしい。

岩を登ることはなかった。岩に沿って踏み跡が続く。

振り返ってみる。晴れていたらまた違う光景だろう。

しばらく進むと新しい七福園の標識があった。これまで歩いてきた中で、ここだけ雰囲気がちょっと違う。やっぱ修行という特別な場所なのだろう。

ガスの中、延々と続く木道。
七福園を過ぎると坂は緩やかになり、木道が続くようになった。ガスの中に続く木道の光景も味わいがあっていい。しばらくすると石が積まれた中に中大日岳の標識が置かれている。うっかりすると気づかずに通り過ぎてしまうくらい地味なピークだ。辺りは相変わらずガスで視界はないのだが、ここからの景色も見てみたかった。
中大日岳から下っていくと、赤い屋根が見えてきた。ようやく今日の目的地の大日小屋に到着した。距離や標高差を考えてもかなり体が疲れた。しかしなぜかコースタイムは休憩を含めて予定どおり。なにはともあれ到着が遅くならなかったので一安心。

危うく見落とすところだった中大日岳のピーク。標高は2,500mで基準点は無い。

ここからの景色はどうなんだろう。

ガスが濃くなってくる中、赤い屋根が見えてきた。

時間どおり大日小屋に到着。

予想以上にクタクタになって大日小屋に着いた。既にウェブから予約してあり、宿泊料も支払済み。夕食までにはまだまだ時間があるので、まずは着替えて横になる。いつもは横になるだけなのだけど、ちょっとウトウトしてしまった。
大日小屋の宿泊者は自分を入れて17名。今日の行程でかなり疲れているけど、夕食はご飯と味噌汁を軽くおかわりできたくらいなので、とりあえずは大丈夫だろう。天気が良ければ夕食後に外に出ればサンセットを見ることができるのだけど、今日はガスが濃くて無理。特にやることもないので再度そのまま横になる。
明日は日の出前に大日岳に登ってご来光を望むのだけど、このままでは天気がちょっと心配なところ。天気が悪ければピークハントのみで妥協するしかない。明日の行程は大日岳以降は下り一辺倒。しかしこれが曲者で、牛ノ首からの大下りはかなり厳しいそうだ。それよりも称名平発のバスに乗り遅れないようにしないといけないけど、これとは別に大きな問題が待ち構えているとは…
(二日目に続く)

ここはギターとランプの宿。雰囲気いいね。