大日三山縦走

大日三山縦走 一日目 ~大いなる日輪~

遅れに遅れて

今年の夏は暑い。いや、今年に限ったことではなく、例年どおり暑い。それとも自分の暑さに対する耐性が年ごとに落ちていっているのかもしれない。いつもは8月のお盆と9月の連休の間を狙って北ア縦走に行くのだけど、もうこの期間はまだまだ暑すぎて、いくら高地だからといっても体へのダメージは大きい。ここ数年のことだろうか、ネットのニュースで疲労による行動不能で救助要請が多発している。下手すると自分がネットニュースに載って四方八方からのバッシングに遭いかねない。北アでは10月に入ると一気に季節が進む。確か2006年に木村さんと10月の週に御嶽に登ったとき、一週間前に突然の低気圧の発生による猛吹雪で、北アの稜線に出ていた登山者が何人か凍死したこともある。いろいろ日程を考えてみると、今年は9月は三連休は二回。そして後半の三連休が終わってから10月の初旬までの期間がワンチャンとなるだろう。
しかしそれまでに一回は体をいじめておかないと、ぶっつけ本番がすぐバテる原因になることはこれまでにも何度か経験がある。とはいっても、まだまだ暑い中でどこの山に向かうか。思い切ってちょっと遠出でもしてみるか、ということで、以前から行ってみたかった立山の大日岳の稜線を歩くことにする。行程は1泊2日。称名滝の手前にある称名平駐車場に車を停めて、登山口から牛ノ首尾根の急登を登り、大日平から大日小屋へ。2日目に大日岳をピストンして奥大日岳へ縦走し、新室堂乗越から雷鳥平へと下りて、そのまま室堂ターミナルへ。アルペンルートで美女平へ…と、途中の弘法で下車、八郎坂を下りれば称名平へ戻ってくるという計画だ。
が、いろいろ調べてみると、何と八郎坂は土砂崩れのため通行止め。立山駅から称名平までバスが出ているものの、最終便は15時10分。なにかトラブルがあると、立山駅から延々と歩くか、そのまま野宿だ。そこで考えたのが逆コース。立山駅からアルペンルートで室堂へ行き、大日小屋まで歩く。翌日大日岳で御来光を見て称名平へと下山する。何とか13時過ぎの立山駅行きのバスには間に合うだろう。何と言っても下りの累積標高差は後者の行程のほうが格段に大きい。体力が落ちているし、6月に西穂、8月に納古山に登ったきりということを考えると、やはり室堂発、称名平着のほうが今の自分には適しているだろう。

今の時代は山小屋の予約から公共交通機関までほぼ予約制だ。ウェブから大日小屋の予約をしたところまではよかったけど、立山駅からのケーブルカーは7時20分からしか予約ができない。時刻表を見ると、室堂着が9時10分。かなり遅い出発だ。コースタイムからすると、大日小屋へは15時くらいになりそう。とりあえず大日小屋にはチェックインが16時近くになるかもしれないとメールで連絡しておく。

前日の日曜日に立山駅へと前乗り。ケーブルカーに乗り遅れないように、車中泊とする。意外にも駅に最も近い駐車場は空きがまだ多い。立山カルデラ砂防博物館で時間を潰したりして、夕食を食べた後、N-VANの中で横になる。夜は寒くなると思ってシュラフを持ってきたけど、中に入ることもなく布団代わりでちょうどいいくらいの気温だ。

  
大日三山縦走

朝の立山駅。当日券を買えばよかったかも。

翌朝、チケット売り場には多くの人が行列を作っている。ケーブルカーが順次出発するけど、どうやら当日券を買った方が早く乗れたようだ。係員に聞いてみると、時刻の変更は手数料が必要とのこと。まあ、あと数十分なので、そのまま予約した時刻まで待つことにする。

ケーブルカーで美女平まで上がり、しばらくバスを待って室堂へ。途中で今日歩く大日岳への稜線が見える。周りのお客さんたちは大日三山を見て「すげーっ!!」「いい景色」って声を上げていたけど、自分はあのピークまで稜線を延々と歩くんだな…と山容を目に焼き付けていた。

  
大日三山縦走

改札を過ぎてケーブルカーを待つ。

大日三山縦走

ケーブルカー到着。

大日三山縦走

美女平でバスを待つこと40分。

  
大日三山縦走

室堂行きのバスに乗車。美女平からは約50分。

大日三山縦走

いつもの滝見台で一旦停止。

大日三山縦走

一瞬だけど今日は称名滝が見えたよ。

  
大日三山縦走

今日の目的地、大日岳の稜線が見える。

大日三山縦走

バスの中から見る弥陀ヶ原。大日岳から見下ろす湿原はどんな景色だろうか。

  
大日三山縦走

このまま天気が続きますように。

大日三山縦走

立山三山が見えてきたよ。室堂までもうすぐ。

大日三山縦走

剱も顔を出す。もうあそこへ登る体力は無いだろうな。


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