裏銀座周回 三日目 ~足跡の記~
小屋が遠い
ようやく船窪岳に着いたので、船窪小屋はもうすぐ・・・と思ったのだけど、まだまだ先は長い。まずは船窪岳から大きく下りて船窪乗越に至る。ここまで来ると下りも厳しく、船窪乗越て腰を下ろしてしまった。この辺りは日陰になるので立ち止まっての休憩は最適。足元には七倉岳・船窪小屋1時間と書かれた指導標の欠片が落ちている。ここから船窪小屋まで最後の登り。ゆっくりでいいから一歩一歩進んでいこう。
頑張って登っていくとちょっとした広場だ。ここがかつて船窪小屋のあったところで、現在はテン場となっている。船窪小屋はさらにここから登っていかなければならない。先を見るとパイプで組まれた階段。いやいや、これは大丈夫か?
船窪乗越でルートは二手に分かれる。一方は船窪小屋へ、もう一方は針ノ木谷へ下りていくルートで、「上級者むけコース」と書かれてある。針ノ木谷へは平ノ渡へとつながるはずだ。
七倉岳・船窪小屋へは1時間らしい。
今は廃墟となったトイレがある。
反対側に付けられた看板。かなり古そう。
テン場に到着。かつての小屋があったところだ。昨年から水場は使えないよう。男性が一人いたので小屋までどれくらいかと聞いてみたら、あと20分ほどらしい。あと20分も登るんかい・・・
まずはパイプで組まれた階段を上る。
ひたすら続く登り坂。
ようやく七倉岳との分岐。あとちょっとのはず。
青い屋根が見えてきた。ようやく着いたぞ。
ここからも高瀬ダム調整湖が見えている。
暗いうちに烏帽子小屋を出発し、ようやく今日の目的地の船窪小屋に着いた。昨日ほど標高差はあまりないものの、何とも厳しい行程だったよ。小屋には自宅と同じく、タルチョが張ってある。予定よりかなり遅れたけど、何とかチェックイン。明日の行き先を書くところでちょっと考えた。
あれが船窪小屋。小さな山小屋だ。
玄関にタルチョが張ってある。
実は4日目の予定では、ここから七倉岳、北葛岳と歩き、蓮華岳を経て針ノ木峠に下りる。そこから針ノ木岳をピストンして扇沢に下りていく計画だった。しかし昨日から両足の親指が内出血を起こし、浮き上がって剥がれかかっている。しかも予想以上にここまで体力を消耗している。明日計画どおりなら今日以上に歩かねばならない。ここは無理せず、安全優先で明日は予定を変更し、ここから船窪新道で出発地の七倉まで下りることにする。扇沢へ下りた場合、車の回収にバスやタクシーを使う必要があるが、七倉へ直接下りるのでちょうどいい。やはり久々の激しい山行は体にもダメージが大きかった。何事も無理はいけない。
今日はスタッフさん一人で切り盛りしているようだ。宿泊者もまだ数人いるのみ。静かでいい雰囲気の山小屋だ。
辺りの山々にもガスが昇ってきている。
手作りの指導標。こういうの好き。
明日下りる方向を確認。
ランプに火が点く。ここはランプの宿で有名。
こちらは食堂、というか玄関を入ったところのランプ。
確か高天原山荘、スゴ乗越小屋にランプがあったな。
食事の時間までダラダラする。外のベンチに座って今日の宿泊者と座談会。あるお姉さん曰く、青嵐荘には竹村新道から下りてくる人に見えるように看板が立っていることから、やはり下山に使う人が多いとのこと。また別の男性二人は今日歩いてきたルートを明日烏帽子小屋に向けて歩くらしい。不動岳のきつい登りや、崩落地について情報提供。自分もまだ登ったことがない山について色々教えてもらった。
船窪小屋は玄関から入ったところに囲炉裏があり、ここで食事を取る。しかしコロナ対策のために壁に机が並べられており、宿泊者は壁に向かっての食事だ。こんな状況でも食事はうまい。このような山奥でも美味しい食事にありつけるのは本当にありがたいことだ。
明日は七倉までの下山で4時間程度の行程。時間的に余裕があるので、山小屋で朝食を取り、明るくなってから下山する。本来はこれが普通の登山なんだけどね。今晩はぐっすりと寝れるかな。