裏銀座周回 三日目 ~足跡の記~
後立の鼓動
何とか息が整い、不動岳から下りていく。しかしこの先もアップダウンは続き、暑さと相まってかなり体力が消耗し、だんだんとバテてくる。登山道はだんだんテクニカルになってくる。一枚岩に鎖があり、ザレた痩せ尾根あり、フィックスロープの張られた岩場ありと体力を削ぎ落とすばかりだ。
不動岳からかなり歩いてきただろうか、振り返ってみると遥か後方に不動岳の姿が見える。あそこから下ってきたのか? いや~こちらからのルートで登りたくはない・・・と思ってしまう。下りてきたルートを振り返って、こちらからは登りたくないと思うのはいつものこと。どちらから登るにせよ、厳しいルートであることは変わらない。
岩の上に鎖。だんだんとテクニカルになってきた。
シロオニタケかシロテングタケの幼菌だろう。多分。
手前左のピークから船窪第2ピーク、船窪岳、船窪小屋への稜線。バックは左から針ノ木岳、蓮華岳、北葛岳。船窪小屋は船窪岳より標高が高いぞ。
ここも落ちたら一巻の終わりだわ。
ここもヤバい。足元に気をつけて。
振り返るとあんな高いところに不動岳。
ザレた登山道が続く。滑らないように。
右側は足元から深く切れ落ちた谷だ。
ちょっと岩を掴んで登っていく。バテた体にキツい。
疲れているのでフィックスロープのお世話に。
こちらからは不動岳は登りたくないな・・・
船窪第2ピークにようやく到着。とにかく暑くて体力が削がれる。山頂は標高が書かれている折れた標識があるだけ。後立らしく標識が黄色に黒色の文字。
急坂の下りの途中でガーミンが鳴った。あれ? もう電池切れ? 足元の悪い中で急いでスペアに交換。不動岳から大きく下って再度大きく登り返す。ここがロング縦走のキツいところ。そしてピークに登りきったところで目の前に黄色の標識が現れた。標高2459.0mと書かれてあり、上部は破損している。その奥にも破損した標識。ここが船窪第2ピークか。ここからは片側がスパッと切れ落ちた船窪岳方面と眼下に高瀬ダム調整湖が見えている。
今気がついたのだけど、標識が黄色い。後立山の標識や指導標はほぼ黄色だった。後立は針ノ木岳からと言われているけど、ここでも後立の鼓動を感じているよう。
この先の船窪岳よりここの方が標高が高いとは。
この先はスパッと切れ落ちた山にルートは続く。船窪小屋への最後の登りがきつそう。
ここはかなり危険。張られたロープを頼ってゆっくり進む。
とてつもなく長いフィックスロープ。ここが一番ヤバかった。延々とロープを掴みながら下っていく。何とか下りたらホッとするくらい。
随所に木の梯子も現れた。
ここから見えるのはダム本体でなく不動沢だね。
恐らく船窪小屋のスタッフさんたちが設置した金属のパイプの手摺。これがあるかないかでは安心感が天と地の差だ。
手摺のパイプ+ロープ。ここは足元は岩場でしっかりしているのだけど横幅数十cmなのでかなり危険。
危険箇所に梯子、手摺、ロープが設置されている。これも小屋のスタッフさんたちのおかげ。このルートはあまり歩かれていないだけに遭難事故があると手遅れになる可能性が高い。しかも一帯は崩落の激しいところ。
そして今度はキツい急登を登りきると草むらの中に船窪岳山頂の黄色の標識が見えた。もうフラフラだよ。
この先の船窪小屋はまだまだ遠い。
このずっと奥が昨日出発した青嵐荘だ。
フラフラで船窪岳に到着。第2ピークと比べると160mほど標高が低い。なぜ第2ピークのほうが高いかというと・・・不明。