栂海新道

栂海新道(帰路) ~親不知から蓮華温泉へ~

天険親不知

  

ここ親不知は「天険」とも言われる。「天険」とは「地勢がけわしくなっている所」だが、親不知はまさに「天険」であることにふさわしいほど名が知られている。そして観光ホテルの裏手はコミュニティロードが整備されているので、ちょっと立ち寄ってみた。

ホテルの裏にぐるりと回ってみると、先に休憩舎が見える。そしてそこには日本近代登山の父、ウォルター・ウェストンの像が鎮座している。ウェストンも見た光景をいま自分も見ているんだ。

  
栂海新道

親不知は多くの文学作品の中に登場するらしい。

栂海新道

親不知を詠った碑。

栂海新道

ホテルの裏手先には休憩舎。

  
栂海新道

石垣のある立派な休憩舎だ。

栂海新道

ウェストンの説明案内板。

栂海新道

急傾斜の横にはウェストン像。彼が見渡す先には何があるのだろうと思ってしまう。

  
栂海新道

眼下には海岸、国道、高速道路が一望。それにしても険しい地形だ。

「親不知」の地名は、ここを通過するには断崖と波が激しいため、親子は互いに省みることができないほど険しい道であることに由来するらしいが、その他にも様々な説がある。

休憩舎の下は断崖絶壁。百数十年前は海岸沿いの道を波を避けながら歩かれていた。これが第1世代。
第2世代の道は今自分のいるコミュニティロード。明治にできたらしい。
そして第3世代が崖の淵に沿った国道8号線、第4世代が海の上を走る北陸自動車道と、ここからは険しい道を繋いでいった歴史を垣間見ることもできる。

それにしてもいい眺めだ。ここに来るだけでもその価値がある。

  
栂海新道

海の上を走る北陸自動車道。用地の問題から海上高架橋になったとのこと。いずれにせよルート選定は大変だったらしい。

栂海新道

石垣には小野氏の説明板も設置されている。栂海新道を語る上で、尾野氏は神様のような存在なのだろうか。というよりも山の安全を祈り、多くの人が山を歩けるように努力された第一人者といった方がいいかもしれない。しかし地元の人かと思ったら、生まれは福島県いわき市なんだってね。

  
栂海新道

第1世代から第4世代までの道の説明板をつないでみた。拡大して読んでみてね。かなり勉強になるし、きっと現地に行きたくなる。


  

コミュニティロードをもうちょっと先に歩いていくと、道の真中に案内板が立っている。なんだろうと読むと、「如砥如矢(とのごとくやのごとし)」。何かというと、第2世代の道は明治時代に絶壁を切り開いて作られたわけだが、それは大変な工事だったようで、完成の際にその喜びを岩壁に刻んだそうな。「如砥如矢」は砥石のように滑らかで、矢のように真っ直ぐであるという意味で、この道路の工事に力を尽くした富岳磯平(とみおかいそへい)の書と言われている。
そしてその前の岩壁にはまさに「矢如砥如」と掘られている(昔は右から書いてたんだね)。しかしその近くには「波激す 足下千丈 親不知」とか「天下之嶮」などいろいろな文字が掘られている。

  
栂海新道

「如砥如矢」の案内板。その前の岩壁には・・・。

栂海新道

岩に大きく刻まれた「矢如砥如」。なんかすごくカッコイイ。スキャナで撮ってデータにしてTシャツでも作ってみようか。

  
栂海新道

「波激す 足下千丈 親不知」と掘られた文字。

栂海新道

こちらは「天下之嶮」。その下には年月と人の名前が。

栂海新道

この先道は続くがここで引き返す。


  

岩壁から先ほどの急傾斜に戻り、ホテルに向かう。再度この周辺を見渡してみる。ちょうどホテルのある場所は国道8号線の天険トンネルの東側出口。ここに大きく「天険親不知 名勝文化財」の看板が立っている。

このトンネルはかなり昔に車で走ったことがあるが、海岸に沿って急カーブやトンネル、覆道が随所にあり危険極まりない。歩道がない箇所も多く、トラックもビュンビュン走っているため歩くのはお勧めできない。

栂海新道

そろそろ観光ホテルに戻る。いいところだ。

  
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昨日も写した世代毎の道の案内板。

栂海新道

天険トンネル東側出口。「天険親不知」の文字がかっこいい。

  
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栂海新道登山口。ここからアルプスの登山道が始まる。

栂海新道

そして改めて栂海新道登山口。日本アルプスの道はここに始まりここに終わる。昔の写真を見ると大きな門のようなものが立っていたようだが、今は余分なものはなく、知っている人だけがわかる登山口となっている。
なお、この前は広い路側帯だけど車は対面の駐車場に停めるように。


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