裏銀座周回 四日目 ~足跡の記~
樹林帯の急坂
標高は徐々に低くなっていく。しかしまだ森林限界上部らしく、眺めはすこぶる良い。高瀬ダムがどんどん近づいてくるようにも思えてくる。途中で9/10の看板が取り付けられているのを見つけた。どうやら船窪新道の10分の1を歩いてきたことになる。あと10分の9。
奥に蓮華岳、手前に北葛岳。ここもいつか登る。
高妻山と乙妻山もお馴染みの形。
なんと贅沢な景色か。この山域で最も素晴らしい景色だと思う。ブナ立尾根もきつい急登だが、この七倉尾根もかなり急だ。高瀬ダムはこの急な山々の間にあることがよくわかる。そしてその先は温泉の楽園。
薄っすらとガスが掛かってきた。
9/10の看板。まだ10分の1だ。
9/10からちょっと下ると、黄色の標識が立っている。標識には「天狗の庭」の文字。広場とまではいかないけど、ちょっとしたスペースに休憩用に腰を下ろすための細い丸太が置いてある。やはり朝の山はいい。あいにく富士山は隠れてしまったが、ここからの眺めも抜群だ。
眼下に高瀬ダム。天端から右岸を歩き、高瀬川奥の湯俣温泉晴嵐荘へ。湯俣岳があそこなので、南真砂岳への稜線が竹村新道か。野口五郎岳から三ツ岳を巻いて烏帽子岳手前の烏帽子小屋。厳しい不動岳を越えて船窪小屋からここまで歩いてきた。長い道のりだったな。
天狗の庭で一息。素晴らしい景色に見とれてしまう。
天狗の庭からの眺め。七倉から船窪新道で船窪小屋までは約6時間。船窪小屋への1泊のピストンだけでも十分楽しめる。天気が良ければなおさら。
ちょっとカメラがぶれてるけど、雲海に浮かぶ山々や遠くに見える槍穂高を楽しんでほしい。
十分景色を楽しんで再出発。坂はさらに急になってきており、どんどん進んでいくと辺りが木々に囲まれるようになってきた。そろそろ森林限界を抜けるようだ。8/10の看板を見つけたところはすっかり木々の中。さすがに急坂が多いとあって随所に木の梯子が設置されている。
途中で鼻突八丁の指導標が現れた。「○○突八丁」というと山でよく見られるのは「胸突八丁」。これは「富士登山で頂上までの8丁(約872m)のけわしい道」とか、「物事を成し遂げる過程で、いちばん苦しい正念場」らしい。つまりはかなり厳しい急登だということ。「胸突」は胸を突かれたように、息ができなくなるほど苦しいことから、「胸」でなく「鼻」ということは、鼻で息ができないほど苦しいことを意味してるんだろう。
頭上を振り返る。一気に標高が下がった。
8/10の看板。既にここは樹林帯の中。
登山道はいつの間にか木々に囲まれる。
ふと横を見ると雲が近づいてきた。
7/10まで来た。だんだんと暑くなる。
急坂には木の梯子が設置。
随所に梯子が取り付けられている。
でかい松ぼっくりだ。
この辺りは鼻付八丁と呼ばれているらしい。時間的にもまだ半分も来ていない。
古びた指導標。いつ頃設置されたものだろうか?
6/10まで下りてきた。急坂を下りるのも体力を使う。
七倉ではなく七鞍。小屋ではなく小舎。これも古びた看板。
よく見られる山の登山道らしくなってきた。
ようやく半分。まだまだ歩く。