裏銀座周回 二日目 ~足跡の記~
烏帽子小屋は遥か遠くに
三ツ岳を後に烏帽子小屋に向けて歩き始める。三ツ岳を過ぎたところで、右手に湖が見えてきた。昨日湖畔を歩いた高瀬ダム調整湖だ。先程三ツ岳西峰から小屋の青い屋根も見えていたので、間もなく近づくはずだ。
と思っていたら、愕然とする景色が飛び込んできた。
ルートは三ツ岳の西側を巻いていく。
右手の眼下に高瀬ダム調整湖。烏帽子小屋が近いということ。
これまた奇妙な形の花崗岩。
あとは烏帽子小屋に向けてひたすら下りていくだけかな・・・と思っていたら、目の前に鳥帽子小屋への指導標。その下に右への矢印。そして眼下の稜線に延々と続く登山道。そしてその先に青い屋根の鳥帽子小屋。
小屋までの道は見えることは見えた。しかし、ここを大きく下りてザレた道をかなり歩かなければならないのか。ちょっと呆気にとられてしまったけど、まずはここから下りなくては。
そして目の前に続く踏み跡をひたすら歩いていく。最初は平坦だけど小屋に近づくに連れてアップダウンもあり、何とか足を上げながら前に進む。
まずは矢印から右手へ大きく下る。そこから稜線伝いに延々と登山道が烏帽子小屋へと続いているのが見えている。最後の最後にラスボスが待っていた。
鳥帽子小屋に続く平坦な道。しかし疲れた体にはキツいわ。小屋直前にはちょっとした登りが待っている。
ここにも奇岩。まだ写真を撮る余裕はある。
ダム湖には雲が掛かってきた。
いや~まいったな。ちょっとしたアップダウンも体にこたえる。
ようやくヒョウタン池だ。あと本当にちょっとだけガンバ。
途中にあるヒョウタン池から最後の登り。手前のテン場でちょっと座り込んでしまったけど、何とか鳥帽子小屋にたどり着いた。もうフラフラだ。早速チェックイン。既に予約の際に、今日の出発は晴嵐荘ということは伝えてあったので、スタッフさんからは「かなりきつかったでしょ」と言われた。そう、メチャメチャきつかった。竹村新道だけでも体力を使ったのに、裏銀の稜線歩きもじわじわと体力を消耗する。
寝るところはいつもの蚕部屋だけど、透明のプラカーテンで仕切られており、平日ともあって一人置きに割り当てられている。なんだかんだで夕食時間までには余裕でもって到着したので、しばらく体を休めながらブラブラする。明日の出発点も確認しておかねば。
テン場へと続く最後の登り。
ようやく見えてきた鳥帽子小屋。青嵐荘を暗いうちに出発し、よくたどり着いたもんだ。ちょっと今日は頑張りすぎたか?
烏帽子小屋に到着。赤牛岳に登ったときに見た青い屋根の小屋だ。高瀬ダムからブナ立尾根を登ったところにあるので、裏銀縦走の起点として利用客は多いそうだ。
明日の出発点の確認。ここから烏帽子・船窪方面へ。
小屋の周りにはナナカマドの実。
烏帽子小屋のスタッフさん曰く、やはり竹村新道は歩く人は少ないということと、歩く人の中でも、どちらかというと下山に使う人が多いとのこと。そうだよね、あの急登は登るのも下るのも大変だ。青嵐荘のスタッフさんが言ってたことと同じだね。
今日は厳しいルートをたくさん歩いた。夕食もあまり喉が通らないほどだったけど、何とか完食。朝日小屋へフラフラでたどり着いた時は夕食を食べるのもしんどかったほどだったけど、そこまでダメージは受けていない。今回の山行で最も厳しい二日目が無事終わった。断面図からすれば三日目は今日ほど累積標高差はない。明日も長丁場だけど、今日の行程を考えればまだマシだ。
という甘い考えが明日になって覆されるとは思ってもみなかった・・・