裏銀座周回 二日目 ~足跡の記~
フラフラで稜線
日が昇ってかなり時間が経った。しかしながらなかなか目の前の南真砂岳のピークが近づいてこない。相変わらず目先の目的地は頭の上にある。遠くの戸隠の山々がはっきりとしてきた。やはり標高が上がっているのがわかる。それに合わせるかのように、槍周辺の景色も更に絶景になってきた。ガスが出てこの景色が全く見えなかったら心が折れていたかもしれない。とにかくゆっくりでもいいので一歩一歩登っていく。
湯俣岳のバックは燕岳。かなり登ってきたけどまだ足りない。
槍ヶ岳も鮮明になってきた。手前の硫黄尾根はこの方角からこんなに近くで見るのは初めてかも。
戸隠の山々も鮮明になってきた。手前の雲海が凄い。
こちらは硫黄尾根。登山道はないバリエーション。
兎にも角にも頑張って頑張ってようやく南真砂岳の山頂に到着。山頂は竹村新道から数十メートルほど外れたところにある小高いピークだ。しかしここからは360°見渡すことができる。いつもならこの景色に疲れも吹き飛ぶ・・・といったところなのだが、やはりここまでかなりしんどかったので、さすがにザックを下ろしてちょっとの間休憩。
再出発して本ルートに戻る。足元に晴嵐荘製だろうか、茶色の指導標に「※ながいです。気をつけて!」と書かれてある。確かにそうだ。この竹村新道、長いわ。
ここから真砂岳直下の分岐、裏銀座の稜線へと出るまでまだまだ頑張らねば。
槍をバックに南真砂岳山頂。ようやくここまで来た。竹村新道3分の2くらいか。稜線に出るまでの行程を考えると先が思いやられる。
この時点でかなり体力を消耗したけど、ここまで頑張ったご褒美、360°の絶景。日が照って暑いけど、たまに吹く冷たい風が心地良い。
南真砂岳から見る真砂岳から野口五郎岳の稜線。あそこも今日歩くんだよ。
「※ながいです。気をつけて!」の文字。確かにそうだ。
さあ、裏銀の稜線に向けて出発。
やはり竹村新道は長い。今日は青嵐荘を出発してまだ人に出会っていない。やはりここを歩く人は少ないのだろうか。
何とか頑張って登ってきた。それに連れて景色もちょっと変わってくる。思えば御嶽が噴火した日は槍から西鎌尾根を歩いて双六、三俣蓮華、鷲羽と縦走していた。噴火した時刻にはワリモ岳付近にいたはず。
登山道は真砂岳の左を巻くように続く。
指導標が見えた。真砂分岐だ。
ここが裏銀座との合流点、真砂分岐だ。ようやく裏銀の稜線まで登ってきた。ここから先は野口五郎岳、反対側は水晶小屋へと続く。ザックを下ろして一息。涼しい風が吹いている。
さすがに稜線に出ると新しい山々も見えてくる。水晶から赤牛、その稜線の向こうには薬師、越中沢岳とこれまで歩いた山を見るのは感慨深い。