裏銀座周回 二日目 ~足跡の記~
山の主が出迎え
厳しかった竹村新道を登り切ったが、まだ序の口。ここから裏銀座コースを北上する。息を整えて再出発。
ここからは厳しい急登はないのだけど、ちょっとした登りでも疲れた体にはかなりしんどい。行く手には灰色の野口五郎岳への登山道が続いているのが見えている。左手の谷には五郎池。野口五郎岳が近づくとともに、立山も見えるようになってきた。野口五郎岳山頂からはどのような景色だろうか。
真砂分岐から改めて出発。
登山道は野口五郎岳へと続く。
左手の眼下には五郎池。
野口五郎岳は独特な灰色の山。山頂まではさほど急登はなさそうだ。
薬師岳が徐々に姿を現してきた。そして越中沢岳から鳶山、五色ヶ原、獅子岳と続き、その向こうに立山も見えてきたぞ。その向こうはまだか。
石の隙間から顔を出した山の主。
野口五郎岳の名前の由来は、大町市の集落「野口」に大きな石が転がっている「ゴーロ」の当て字である「五郎」から来ている。故に、大きな石が随所にあり、その上を歩くことになる。
途中で石の間に何か動くものを見つけた。なんとこの山の主だろうか、オコジョじゃないか。笠ヶ岳に木村さんと登ったときに山頂で木村さんが見つけて以来だ。石の間から顔を出したかと思うとすぐに隠れ、隠れたかと思うと別の隙間からまた顔を出してチョロチョロと動き回っている。面白いのは、逃げることもなく、さほどこちらを怖がっていないようにも見える。まるで出迎えてくれているようだ。
大きさは20センチくらいだろうか、意外に小さい。石と石の隙間を行ったり来たりして、顔を出してはこちらをじっと見ている。
チョロチョロとすばしっこいぞ。
出迎えてくれているのかな?
石の上にちょこんと乗って。
こちらにチョロチョロ。
「気をつけて頑張ってね」
名残惜しいけど山の主に別れを告げて先へと歩く。
野口五郎岳が目の前。よく見ると巻き道と山頂に続く登山道がわかる。
野口五郎岳が近づいてきた。よくよく見ると、山頂に続くルートと巻き道がある。ここはもちろん、山頂へ。他の山から見たように、地面は白っぽい灰色だ。地質が花崗岩質のためらしいが、これまで登った山の写真を確認するとその先の三ツ岳や烏帽子岳も花崗岩がゴロゴロしていて白っぽい色をしているね。
この先は山頂へ。巻き道にうっかり入らないように。
竹村新道は一人とすれ違っただけなのに、野口五郎岳からは何人か下りてくる人とすれ違う。歩く人が少ない裏銀座とはいえ、そこそこいるようだ。
石に書かれた矢印。ここが巻き道との分岐だ。
登山道はジグザグに続いている。
そろそろ山頂。人が多いか?