銚子ヶ口 ~山奥の池に一人旅~
東峰と本峰
先程から沢の音が聞こえているのだが、一旦沢に下りるとまた登らなくてはいけない。沢に出るのかな? と歩いていくと、案の定、植林帯の向こうに小さな沢が見えてきた。ここからは沢に沿ってちょっと登っていくことになる。
しかし先程から気になっているのが「鈴鹿10座」という黄色のテープ。鈴鹿といえばセブンマウンテンが有名。帰ってから調べてみると、鈴鹿10座とは東近江市が平成27年に認定したものらしい。御池岳、藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、いぶね、銚子ヶ口、日本コバ、天狗堂の10座なんだけど、セブンマウンテンと重複しているものもあるけど、メジャーな山の中にマイナーなピークがあるのが何とも面白い。
(セブンマウンテンは近鉄、朝日新聞、名古屋テレビといった民間会社が選定したものだよ)
小さな沢に出た。ここからは沢に沿って登っていくけど、さほど急坂ではないので息は切れていない。
ちょっぴり斜度が出てきた登山道。
鈴鹿10座を示す黄色のテープ。
踏み跡に沿って登っていく。周囲は相変わらず植林帯の中。
たまに沢を渡る。ここにもポイント番号の標識。
なかなか視界が開けないので退屈するかも。
植林帯を抜けるとシダに覆われた広葉樹の坂道を登っていく。これだけでも変化があっていいな。しかし登山道は泥で滑り放題。
延々と植林帯の中を登っていく。視界が開けないので本当にひたすら歩いていくだけという感じ。しかしその先が見えてきた。落葉した植林の針葉樹が切れ、落葉した広葉樹が転々と生えている。行く手にはコルだろうか、稜線が見えている。おお、あそこには何かが待っているのか?
しかし足元はぬかるんでいていツルツル。登山靴のソールのブロックも泥で詰まってしまい、悪戦苦闘。これ以上の急登だったらかなり体力奪われそうだったけど、短い距離だったので何とか登りきった。
お、予想通りいい眺めじゃないか!!
見つけたキノコは可食かどうか不明。
泥道に悪戦苦闘しながらもようやく登りも終わり。
登りきったところは風越谷林道への分岐だ。黄色の標識はレスキューポイントを示す看板。この地点は「銚子ヶ口-6」。
どうやら辿り着いたところは分岐点のようだ。木に付けられた看板を見てみると、「←風越谷林道」と書かれている。
銚子ヶ口への登山道は複数あり、こちらは林道経由のルートらしい。帰りにこちらを歩いてみても良さそうだけど、事前に調べていないのでやめておこう。
先程まで眺望のない植林帯の中をひたすら歩いてきただけに、この眺めは疲れも吹き飛ぶ。しかし雲がちょっと広がっているのが残念だ。相変わらず天気予報は当たらないなあ・・・。
御池岳から御在所まで一望できるのは素晴らしい。
左が御池岳で右側が藤原岳。こうやって見るとここから遠いなあ。
雲がちょっと広がっていて残念だけど、視界が開けたよ。
そして次はどちらへ進めばいいかというと・・・風越谷林道とは反対側に急登のルートが続いている。ここを一登りすると、目の前に「東峰」の標識が現れた。ここが銚子ヶ口の東峰。ということは西峰もあるんだろうか?
東峰のピークは狭いながらも景色のいい広場になっている。後から思えばここが一番眺めが良かったため、お昼ご飯はこちらで食べるのがいいね。
ここまでの登山道も急登は殆ど無く、ルートもはっきりしているので登山初心者にもお勧めの山だ。
分岐からちょっとした急坂を登る。
登りきったピークが東峰。ここからの眺めもいいよ。
東峰には鈴鹿らしく馬酔木の木も生えており、「ここは東峰です」の看板もある。そして木に付けられた「銚子ヶ口→」の標識。
なるほど、本峰へはこちらへ行けばいいんだな。一旦下ってどれだけ登り返すことになるんだろう?
予想に反して東峰から本峰へは数分。拍子抜けするくらいすぐに本峰に着いた。こちらは三角点があるものの、周りは低木に囲まれていて眺望は無く、東峰に比べても狭い山頂だ。
しかしここが本日の最高峰。さて、ここでのんびりすること無く、次へ向かうとするか。
登山道の右手に銚子ヶ口頂上。ここが本峰だ。
本日の最高峰、銚子ヶ口の山頂に到着。周りは低木に覆われていて景色は望めない。
どんなときでも山頂はいいもんだ。
標高1076.79mの三等三角点。点名は「佐目」。