三俣蓮華岳に向かったまま行方がわからくなっていた2人のうち、大学生が24日朝、ヘリで無事救助されました。もう1人の自営業の男性は23日、自力で下山しました。
警察によりますと、20代男性は23日、大町市に自力で下山し救助を求めました。もう1人の20代男子大学生は、24日午前6時半ごろ、野口五郎岳の西側の東沢谷内(標高約2,200m)でヘリで救助され、松本市内の病院に搬送されました。命に別条はなく、会話もできるということです。
2人は今月18日、七倉登山口から入山。高瀬ダムや湯俣を経て、伊藤新道、そして、竹村新道を1泊2日で行く予定でした。ところが、今月19日・午後5時すぎにスマートフォンから「もう1泊する」と家族宛てにメールを送り、伊藤新道の最終地点、三俣山荘の近くで野営をしました。翌20日、竹村新道の入り口の水晶小屋付近まで来たものの、この辺りで道に迷い、午後4時ごろ東沢谷まで下りたところで行動不能に陥りました。きのう23日朝まで2人でテントをはってビバークを続け、3日分の食料が尽きた後は沢の水を飲んでしのいでいました。そして、体力が回復した自営業の男性が稜線まで登り、野口五郎岳から烏帽子岳を縦走する形で、23日午後7時ごろ出発地点の七倉登山口まで1人で下山。その後、保護された男性が警察に野営場所を伝え、24日朝の救助に至りました。
警察によりますと、遭難した2人の登山歴はおよそ1年と3年でした。スマートフォンの地図を頼りに行動していたものの、予備のバッテリーを持っておらず電源が切れたことで道に迷った可能性があるということです。