槍穂縦走 一日目 ~槍、再び~
明日天気になれ
十分すぎるほど山頂からの景色を満喫したのでそろそろ下りようかと思っていたら、下りの梯子から何人か登ってきた。山岳ガイドと5名の初心者のようだ。ガイドに下りの梯子であることを告げると、「誰も下りていなかったから」とのこと。ふーん、そうなんだ。まぁ、どこを登るのかは自己責任だけど、最低のルールは守ってほしいな。(結局このガイドはどこかのツアー会社のなんちゃってガイドでした。)
偶然にも先に登っていた若者の一人が先に下っている。下からは高齢者の団体が登ってきている。石を落とさないように、一方通行でない箇所は待っていてあげて・・・と、突然下で石の落ちる音がした。先に行く若者が石を落としたようだ。しかし誰も「ラク」と叫ばない。あ・・・あれ? ちょっと怖いぞ・・・。
なんかおかしな感じの中、無事に山荘まで下り、本日の宿泊の手続きも終了。何か忘れているなと思ったら、そういえばまだ昼食を取ってなかったっけ。誰もいないキッチン槍に入り、カレーライスを食べる。これがまた美味い! 山荘のメニューというと値段が高いというイメージがあるけど、ここのカレーライスは量もあるし、ドロッとしたルウも美味いわ~。そう、キッチン槍のカレーを食べに槍ヶ岳を目指すのもいいかもね。
早くチェックインすると夕食までやることがない。とりあえずは今朝出発が早かったので仮眠するもすぐ目が覚めてしまう。では、地図を広げて明日のルートの予習。それからは何をする訳でもなくノンビリと夕方まで過ごす。
16時頃、外を見ると辺りはガスに覆われている。明日の天気はどうだろうか。
さて、山荘に戻ろうか。高所恐怖症の人はこの写真を見てビビる・・・訳ないか。
山頂祠に別れを告げる。また来るよ。
下りの梯子の下には先行者が一人。登りで前にいた若者だ。
下から高齢者の団体が登ってきた。見てると危なっかしい。
頼むから石落とさないで。いや、落としたら「ラク」と叫んで教えてよ。
山荘に到着。現在山頂は混雑しているようだ。
まずはチェックインしよう。この山荘には初めて泊まる。
槍ヶ岳のテラスから。左に槍ヶ岳、遠くは常念岳から蝶ヶ岳、右手には穂高が見える。お腹空いたな・・・。
テラスから眼下には殺生ヒュッテ、東鎌尾根にはヒュッテ大槍。
夕方にはガスに覆われてしまった。初日終了のサムアップ。
ガツガツすぎるほどのジジイ共のお陰でご飯にもちょっとの間ありつけなかったけど、無事夕食も終了。/p>
キッチン槍でコーヒーでも飲もうかと思ったけど、なぜか外に出てみる。夕方よりはちょっとはガスが切れている。雲海に浮かんでいるような山々。幻想的な光景だ。
日没前の山荘のテラスから。先ほどよりはガスが取れている。常念や前穂が雲海に浮かんでいるようだ。
夕陽に照らされる槍ヶ岳。落石は一歩間違えたら危ないところだった。
しかし、またもや石の落ちる大きな音が響いた。槍の下の方だったが、30cmほどの大きな石が落ちている。しかし落とした本人は何も叫んでいない(今思えば自分がテラスから叫ぶべきだった)。石はすぐに止まり、夕方で登山者がいなかったからよかったものの、昼間だったら恐怖だっただろう。
山荘の裏手に回り、西側を見てみると、ちょうど雲海に日が沈むところだった。これまたいい巡り合わせ。
高台で日没を見ている人たちも。
間もなく日が沈む。今日は最初から最後まで天候に恵まれた。
早くチェックインしたので食事も早く終えることができ、うまい具合に日没を見ることができる。今日は本当にラッキーだ。
雲海は左から右へ巻くようにゆっくりゆっくり動いている。ちょっと寒いけど、食事を終えた人たちが集まってきた。みんなで静かに日が沈むのを待つ。
本日最後のパノラマ。広がる雲海に沈む太陽。空が高いな。
今日はこれでオシマイ。明日は奥穂まで行くよ。
日没後は皆さんそそくさと山荘へ。やっぱ3,000m超だとこの時間は寒いもんね。
さて、明日は今日と同じくらいの時間に山荘を出発、まずは南岳を目指す。恐らく大キレットに差し掛かる頃は十分明るくなっているだろう。長谷川ピークや飛騨泣きといった難所はもちろん、北穂から涸沢岳への縦走路も要注意だ。気を十分引き締めていこう
そして、今日と同じくらい天候が味方してくれますように。