槍穂縦走 一日目 ~槍、再び~
厳しい飛騨沢
槍平小屋に到着。3年前の往きはこの時点でも真っ暗だった。テン場の方へ行きザックを下ろして小休止。ここでは水の補給ができるのでありがたいね。この時間はまだ日陰になっているせいか、わずかに霜が降りている。
槍平は南岳、奧丸山への分岐にもなっているので、ここを起点とする登山者も多い。しかし今日のテン場の客はわずかに1名だ。最盛期はすでに過ぎてしまったよう。再度振りかえってみると北穂から滝谷ドーム、涸沢岳、右手奥には西穂も顔を出している。さすがにちょっと寒くなってきたので出発。さあ、ここから飛騨沢に向けて厳しい登山道だ。
ようやく着いた槍平小屋。時刻は7時ちょっと前。
朝早いせいか、ひっそりとしている。
ちょっとザックを下ろして小休止。やっぱ立ち止まると寒いね。
槍平小屋のテン場から穂高連峰を望む。左から北穂、涸沢岳。奥穂はここからは隠れているようだ。右手奥は西穂。
最終水場。ここでちょっと腹ごしらえ。
笠ヶ岳もようやく顔を出してくれた。
槍平から高度は一気に上がり、息が切れてきた。最終水場で軽く行動食を腹に入れる。日陰で寒いが、高度が上がったせいか笠やジャンが顔を出し始めた。いい眺めだな。
もうちょっと頑張れば森林限界に出たところから飛騨沢のきつい登りになる。体力を温存しておかないと明日からの行程に響くからね。
奥穂はぎりぎり手前の涸沢岳に隠れているのか。槍平小屋から見えなかったジャンダルムがはっきりと見える。今見ても昨年よくあんなところ縦走したなと思ったりもする。
更に南側には焼岳と乗鞍岳。まだまだあちらの方が標高は上だね。今日の天気は最高のようだ。
周りの木々が低くなり森林限界に出たようだ。と同時に目の前にだだっ広い飛騨沢が広がっている。ここからが今日の一番しんどいところ。まずはゆっくりと千丈分岐を目指す。
千丈分岐点には指導標の横に救急箱が置いてある。ここでもザックを下ろして小休止。日向に出たので寒さは感じない。むしろ暑いくらいだ。
しかしここからの眺めも静かでいい。槍ヶ岳本体は見えないけど、進行方向に広がる飛騨沢の反対側には笠ヶ岳が見守っていてくれる。十分に休憩を取ってから出発。あと一回は休まないといけないかな?
足下の霜柱が寒さを語っている。
森林限界に出ると同時に飛騨沢が広がる。ここからは槍は見えないが、前方の一番高いところが槍ヶ岳山荘のあるところ。
千丈分岐点で一休み。救急箱は槍平小屋のスタッフが設置している。感謝。
飛騨沢からの笠ヶ岳も圧巻。ここの標高が2,550mくらいだから笠の方がまだはるかに高い。
千丈分岐からピンクのリボンを目印にジグザグに岩屑の上を登っていく。これがなんともキツイ。タイムスケジュールどおり飛騨乗越へ辿り着くまあ絵に小休止。下からKUMAクン似の若い男性が苦しそうに登ってくる。
再出発して先ほどの男性の前に出る。3,000mを過ぎるとかなり楽になるのでお互いガンバロウ、と告げて先へ進む。かなり山荘が近くなってきた。ふと左手の西鎌尾根を見ると、どうも高齢者らしき団体がムカデの如く連なって登ってきている。槍に登る時にバッティングしたら明らかに渋滞だ。先を急ぐことにしよう。
ようやく飛騨乗越の指導標が見えてきた。標高3,020mは日本最高所の峠らしい。ここから左手には今まで見えなかった槍と対面することになる。
尾根の岩塊の向こうに槍ヶ岳山荘がわずかに見えている。直登できればいいのだが飛騨乗越は山荘から稜線伝いに右の方向。目的地まではまだまだだ。
登りがキツイのでどうしても振り返ってしまう。そこにはいつも笠ヶ岳。
槍ヶ岳山荘はかなり近くなってきたぞ。
今日はあそこに宿泊。あと少し頑張る。
西鎌尾根には団体の行列。あんなに詰めては危ないね。