後立山縦走三日目 ~不帰キレット越え~
静かな山頂宿舎
杓子岳山頂からメインルートに戻る北側の踏み跡は急斜面を一気に下りていくが、岩屑に足元を取られて歩くにくい。石を落とさないように一歩一歩慎重に下りていく。
メインルートに合流した後は宿舎に向けて歩くだけ。しかし、よくよく見ると、大きく下った後、そこから更に大きく登っていく。そう、「頂上宿舎」の名前のとおり、白馬岳をある程度登らなくてはならないのだ。そんな単純なことに今ようやく気がつく。
まずはコルで小休止してから歩きだす。徐々にガスが立ち込めてきた。ちょっとバテてきたかな?
杓子岳山頂から岩屑の踏み跡を下る。
メインルートに合流。こちらは指導標があるね。壊れてるけど。
ここら一帯はこんな岩屑の地質だ。
コルで小休止。ここから宿舎に向けて登っていく。
こちらはより山頂に近い白馬山荘の建物。
この先に丸山というピークがあり、白馬岳がいい眺めらしいのだが、ガスと疲れでそれどころではない。
ガスは濃くなるばかり。息が切れてきた。
なかなか着かない頂上宿舎。ぐるりと岩を巻くと右眼下に建物が見えてきた。よ、ようやく到着。今日はよく歩いたな。
頂上宿舎に向けて下りていく。着いたとこはテン場。あれ? 玄関がない。どうやらここは宿舎の裏手らしい。玄関に回って建物の中に入る。途端に座り込んでしまった。中はひっそりとして誰もいない。スタッフが出てきてチェックイン。時刻は12時半なので、今日は10時間半ほど歩いたことになるな。
今日の部屋だが、宿泊客が少ないので一部屋に一人とのこと。2階の部屋に入ると、2段ベッドのあるかなり広いだ。
お? こんな広い部屋を貸し切り? ちょっとラッキー。
時間が早いせいか、他の宿泊客は見当たらない。そのせいか食堂も開いておらず、恒例のカレーは今日は無し。明日は暗いうちに白馬岳山頂を通過するので、今日のうちに山頂をとアタックザックを荷物の中に忍ばせておいたのだが、外を見ると谷からガスがどんどん上がってきている。ここから山頂まで約30分ほどらしいが、このような元気はわずかしか残っていない。今日はこれでおしまいにしておく。外を見るとたまにガスが晴れているようだが、すぐに真っ白。とにかく疲れたので、ちょっと横になったり明日の行程を地図で確認したりしてダラダラ。貸し切りの広い部屋に一人は気を使わなくていい。
ようやく到着した宿舎。玄関はこちらじゃなかった。
部屋から外を見るとガスで真っ白。
村営白馬岳頂上宿舎。天狗山荘と同じように、白馬村振興公社が管理している。部屋はきれいでなかなか快適。テン泊はトイレの利用ができないそうなので注意。個室もあるそうだが、今日の部屋は個室状態。
今日の夕食。固形燃料付きのお一人様鍋が付く。具は牛肉と野菜でポン酢でいただく。山の中でこんな豪華な食事ができるとは。
夕食も済み、部屋に戻る。外はガスで真っ白。結局チェックインしてから引きこもってしまった。明日は今日以上に歩くことになる。
そして夕食の時間。食堂に入るとなんか豪華なメニューが飛び込んでくる。通常の食事に何と鍋がついてくるなんて贅沢過ぎる。ご飯とみそ汁のおかわりはセルフで自由だ。
お腹も満たされ部屋に戻る。今日のサンセットは見られそうにないので、明日の出発の準備をして布団を被る。明日はとうとう最終日。