後立山縦走三日目 ~不帰キレット越え~
御来光は唐松岳から?
初日と二日目は一般的な行程。暗いうちに出発してお昼前に着く。しかし今日と明日はそこそこの長丁場。深夜一時に体を起こし外の様子を見に行く。雨は降ってはいないが、風が強い。稜線は遮るものがないのでまともに風が当たる。しかし歩くのを躊躇するどころか、心地よい風だ。早速出発の準備。五竜山荘の玄関は真っ暗なのでちょっと準備に戸惑う。
いつも通り山荘に一礼し、まずは唐松岳に向けて今日の山行の始まり。
山荘からちょっと登ったかと思うと、ルートは緩い下りに入る。どれくらい下っただろうか、この先のコルは爺ヶ岳~雪倉岳縦走ルートの中で最も標高の低いところだ。コルから登山道はきつい登りとなってくる。すぐに右手に遭難碑が見えてくる。恐らくここが五竜岳と唐松岳の間にある大黒岳だ。この先は意外にも鎖が出現する岩場の難所が随所に現れる。ヘッデンで行く手を照らしながらぐるりと最後の岩峰を巻くと、唐松岳頂上山荘の明かりが見えてきた。慎重に歩いてきたから2時間チョイかかってしまった。山荘の中を外から覗くと、なんかすごくきれいで快適そう。人気のあるのもわかる気がする。まずはちょっとだけ山荘の外で休憩。何人か外に出て星空を眺めている。
五竜山荘を出発。ちょっと風が吹いているけど大丈夫。
大黒岳直下にある遭難碑。ここでも旅の安全を祈る。
唐松岳頂上山荘手前、八方尾根への分岐の指導標。
唐松岳頂上山荘に到着。山小屋にしては豪華そう。
山荘から出てきた老夫婦がヘッデンを装着して山頂に向かっている。こんな早い時間から御来光の場所取りかな? と思いつつ、自分も後を歩いていく。
頂上まではさほど急登ではなく、山荘からは15分ほどで到着。さすがにこの時間では先ほどの夫婦しかいない。
聞いてみると、やはりここで御来光を待つらしい。この先の不帰ノ嶮には行かないそうだ。
日の出前の唐松岳山頂。山荘からはさほど時間はかからず。八方尾根から登れば初心者でも比較的安全に山頂に立てるね。
ここの標高は2,695.80m。三角点は二等で点名は「唐松谷」。
現在時刻は4時半。日の出はまだ50分先。昨日同様、長時間体を動かさずにいると体が冷え切ってしまうので、先へ進むことにする。
ヘルメットを被り、ポールをザックに固定して再出発。
この先は不帰ノ嶮。今日も難所を歩く。
東の空が明るくなってきた。山荘からは御来光をと頂上に向かう人達のヘッデンが点々。
不帰ノ嶮を示す指導標。この先は気をつけて。