船山 ~飛騨富士山頂~
飛騨富士の残り一座
今年は6月に梅雨が開けてしまい、早めの猛暑のため庭に植えたグランドカバーのクラピアが夏枯れしてしまうほど。春に植えた馬酔木は完全に枯れてしまい、ドウダンツツジやヤシオの苗も危ない。と、猛暑が多少落ち着いたと思ったら今度は梅雨がまた来たかのような長雨。植物がくたばるほどだから、人間の体も環境に追いつくのが大変だ。
唯一の土日の休日も何かと忙しかったりダラダラ過ごしたりでなかなか山に向かってない。何よりも体がついていかなくて朝起きることができない。こんなことで北ア縦走に行けるわけがないので、天気の合間を縫って休暇を取って山に登る。
しかしこの時期は登る山を決めるのが難しい。朝起きれないのでできるだけ近場の方が良いのだが、奥美濃、奥揖斐、鈴鹿といったところはヒルがいるし、涼しい信州も遠いし…といったところで思いついたのが飛騨の船山。これまでに登った川上岳、位山と並んで飛騨富士と呼ばれているらしいが、船山だけがなぜか登ったことがない。船山といえば位山のとなりでアルコピアスキー場のあることしかイメージがわかないが、ここを登れば飛騨富士コンプリートだ。位山峠から登ればそこそこ距離も楽しめる(とはいっても往きで2時間ほどだけど)ので、まだ交通量の少ない早朝の道をN-VANで走って位山峠に向かう。
位山峠から出発。たまに車が通るのみの静かな峠だ。
位山峠にある登山口には船山への登山道の看板と休憩舎がある。この脇に車を停めて出発。早朝とはいえ、既にセミの鳴き声がして湿気も高い。この先どんなルートなのだろうか。
木々の生い茂る登山道を進んでいくと、いきなり大きな木が道を塞いでいる。見たところ古くもなく、新しくもなくといったところか。ここを乗り越えていくと、その先にも何箇所か倒木に出くわす。さすがに登山道整備もこれを切るのは難儀だろう。登山道は整備されているのだが、季節が季節だけに生長した笹が随所で張り出しており、所によっては漕がなければならない。見通しは殆ど無く、樹林帯の中をひたすら登っていくことになる。
位山峠は古くから飛騨と京を結ぶ位山街道の峠。「位山官道」が峠の下からここまで延びている。「官道」というのは大宝律令に定められた道らしい。えらい昔のことだ。
山頂までのルートの看板が立っている。
ベンチのあるところから登山道が続いていく。
いきなり大木が登山道に横たわる。恐らく台風か豪雨で地盤が緩んだためか。ここは乗り越えていくが、この先にも随所に倒木が現れる。
苔むした倒木。かなり大きい。
向こうの木は根こそぎ倒れている。
足元にキノコ。色的に危険な匂い。
分岐が現れた。
左が位山峠…? 後でわかったのだけど、左のルートは位山峠への近道。自分の登ってきたのは光と風の道らしい。なんともややこしいな。
だんだん笹が覆いはじめた。
所々で笹が登山道に張り出してくるが、ルートを見落とすほどではない。しかし、下山時にとんでもないことが…。
このあたりがほぼ中間点。山頂まで2.1km。
まったくもって遠くの見通しは何もない。
夏場はまだ登山道が日陰になるだけいいか。
なぜかこんなところに丸太の階段。
延々と続く。もうすぐ休憩舎のはず。
休憩舎が見えてきた。多少景色はいいだろうか。