雪倉岳~朝日岳二日目 ~心が折れて五輪尾根~
先は長い
昨日の疲れと思わぬトラブルですっかり心が折れてしまった次の日、既に起きている人も多く、出発準備に忙しそうだ。
そして今日は栂海新道ではなく五輪尾根を下りる。小屋の方にお礼と、また栂海新道を歩きに来ますと告げて出発する。まだ外は日の出前なので暗い。ヘッデンを点けてまずは昨日通過した朝日岳山頂を目指す。
お世話になった朝日小屋を出発。
日の出時刻を過ぎて明るくなってきた。辺りはガスで視界が悪い。
1時間で山頂に到着。
朝日小屋を出発して約1時間、ガスで昨日よりも視界が悪い山頂に到着。やはり8月下旬とはいえ、早朝の山頂は肌寒い。昨日と同様、誰もいない山頂だ。ちょっと休んでいこうと思ったけど、立ち止まるとどんどん体が冷えてくるので休憩時間も5分程度。
天気が良ければ日の出直後の朝日岳からの景色が望めたのにな。どうも相性が悪いのかな・・・。
この先は雪倉岳ではなく蓮華温泉方面、吹上のコルに向けて山頂から下りていく。こんなにガスが立ち込めていてはこの先景色も望めないだろう。
ガスの中の朝日岳山頂。日の出直後なので肌寒い。
一年中厳しい風に耐えながらもしっかり立っている木々。自分もこうありたいな。
景色も望めないし、寒いので先へ進もう。
山頂から雪倉岳との分岐に到着。ここからは栂海新道、蓮華温泉方面へと進む。相変わらず辺りはガスガスだが踏み跡ははっきりしている。
なんかこのまま栂海新道へと歩こうかなとも思ったけど、一度決めたことは変えないでおく。登山はメンタルが重要なんだ。
ここで栂海新道、蓮華温泉方面の左へ。
ガスの中を下っていく。晴れていたらどんな景色だろう。
ザレた登山道をゆるく下っていくと、行く手に指導標が見えてきた。着いたところは吹上のコル。ここで日本海に向かう栂海新道と五輪尾根を経て蓮華温泉に向かうルートに別れる。ここは栂海新道の終点でもあり、ここから実に2,200mちょっとの標高差を海抜0mの日本海まで下っていくのである。無性にこちらに行きたくなるが、今日はじっと我慢。
蓮華温泉へとガスの中を下っていく。途中までは緩やかなお花畑の中を歩くのだが、すぐに狭い急な下りとなる。一部は木道となっているが、水が溜まって足下はグチャグチャ。振り返ると朝日岳はガスの中だ。やはり今日の天気はイマイチなのだろうか。
行く手には花を咲かせた高山植物が群生している。鉱山道といい、この五輪尾根といい、歩くのにはとても気分のいいルートだ。
吹上のコルに到着。右が五輪尾根を下って蓮華温泉に至る。栂海新道は日本海親不知を起点とし、ここが終点。先に到着していた一人の男性がガスの中を栂海新道へと歩いていった。自分も無性に行きたくなるが、ここは我慢。
もう色が褪せている朝日岳周辺の案内図。
反対方向が栂海新道。行ってみたいな・・・。
五輪尾根へとお花畑の道を進む。
ガスの向こうに雪渓が見えてきた。
この付近は初夏は残雪がルートを覆っているため、アイゼンが必要らしい。
ここにもチングルマの果穂がいっぱい。
ヒオウギアヤメも随所に咲いている。
恐らく目の前に見える山が五輪山。標高が下がるに連れガスも切れてきた。お花畑を歩くのは気持ちがいいが、急坂とぬかるみで滑らないように注意して下る。
日が昇り、だんだんと気温も上昇してきた。朝日小屋では朝食を予約していなかったため、どこかで食べなければと思いながらも登山道をどんどん下っていく。
ちょうどルートを横切る沢に差し掛かった。休憩するにはちょうどいいところ。ここで腰を下ろして昨日買っておいた鱒寿司を食べる。
これは朝日小屋で冷凍したものが夕食後に売られており、次の日にちょうどいい具合に解凍しているというもの。翌日の行動食として人気があるそうなので2個買っておいたが、これが実にウマい。
朝日小屋に泊まる機会があったら是非買っておくべし。ちなみに鱒寿司の他にもクルミとシイタケ・かんぴょうの甘辛煮のクルミ寿司もあるよ。
登山道は岩がゴロゴロした箇所もあれば・・・
このように木道が整備された箇所もある。木道の上は滑らないように注意。
延々と続くお花畑の下り。
振り返ってみる。蓮華温泉から朝日岳へはここを登らないといけないんだよね。
ミヤマキンポウゲの黄色い花。
ちょっと沢で腰を下ろして朝食とする。
昨日買っておいた朝日小屋の鱒寿司。これはオススメ。