黒部五郎岳 ~じぇじぇじぇ~ ~
雷鳥に励まされ
帰りもアップダウンが続く。特に登り返しが厳しい。登っては休憩し、下って登って休憩を繰り返す。辺りの景色を見ると、引き返しを決めた途端にガスが出てきた。まるで今日あきらめるのを待っていたかのようだ。みるみるうちに槍はもちろん、裏銀座の稜線も隠れてしまった。
何とか赤木岳まで戻ってきた。まだ北ノ俣岳へはアップダウンを繰り返さなければならない。西の谷からガスが昇ってくる。これが涼しくて気持ちがよい。見通しは悪くなったが、コンディションは悪くはない。とにかくマイペースを守ってゆっくり北ノ俣岳を目指す。
何の花だろうと思ったら、チングルマの花後らしい。
帰路に着くと同時にガスが出てきた。
タイミングがいいというか・・・昼頃にはガスが出やすいようだ。
あっという間に遠くの山はガスに隠れてしまった。
赤木岳に戻ってきた。赤木岳の山頂は岩塊の上でルート上にはない。
これじゃ黒部五郎岳からの眺望も期待できないね。
もうすぐ北ノ俣岳だ。緩い登りなのだが今となってはキツイ。
さっきから薬師の方からゼッケンを付けた人たちとすれ違う。どうやらトレラン大会をやっているようだ。指定の時間までに黒部五郎小舎に着かなければならないらしい。
無事に北ノ俣岳に戻ってきた。とりあえずザックを下ろす。往きのように足が止まることはなくなったが、やはり体力がかなり消費されているのを感じる。目の前には日本最後の秘境と呼ばれる雲ノ平。ここは時間があればゆっくりと歩いてみたいのだが、仕事現役のうちは無理かな・・・。
小休止後、神岡新道分岐まで下り、木道を歩いて神岡新道に入る。ここから北ノ俣避難小屋まではひたすら下るのみ。しかし今は下るのにも足を支えるのが苦しいほどだ。無理せずゆっくり下ろう。
ようやく北ノ俣岳に戻ってきた。とりあえずは一安心。
雲ノ平もガスに隠れている。
薬師岳も全貌が隠れてしまった。往きに写真を撮っておいてよかったよ。
また来ればいいと何度も頭の中で繰り返す。
往きに歩いた木道だ。歩いている人はほとんど見かけなくなった。
ここで神岡新道へ。苦労して登ってきた道を今度は下る。
三角点ではないはず。何かの基準点かな?
草紅葉が始まっている。いい色だ。
ガスで視界が悪い中、ゆっくりと下っていく。するとガスの向こうに動くものがある。お、雷鳥だ。彼は案内してくれるかのようにしばらく前をテケテケと歩いていく。
雷鳥にも元気づけられ、ひたすら下る。改めて辺りを見ると草紅葉が始まっているせいか、値一面オレンジ色だ。往きは苦しくて全く気にしてなかったよ。
どれだけ下っただろう。ようやく木道が見えてきた。あとは木道に沿って更に下る。
辺り一面ガス。歩いているのは自分だけ。
雷鳥クンが道案内をしてくれている。
「今日はダメだったけど、また来いよ。」案内ありがとね。
往きの登りでは全く気にしていなかったが、辺り一面草紅葉。
オレンジと緑の混ざり具合が絶妙だ。
ようやく見えてきた木道。ホッとしたよ。