西穂山荘

西穂山荘 ~行けなかった北ア縦走~

なんかうまくいかない

  

年々暑くなっていく夏。今年の夏も暑い。遠く北アルプス、特に槍や穂高の稜線を見るたびにジャンダルムや大キレット越えを思い出す。西穂から奥穂を縦走したのが12年前。槍から奥穂を縦走したのが11年前のこと。あの山々を遠くから見るたびに何とかもう一度訪れてみたいと思っていた。
10年ちょっと前は体力もあり、何といってもこの稜線を歩くために幾度となく長距離や岩場の山行を繰り返していた。しかし年齢とともに体力は落ちていくもの。これに伴って運動神経、集中力、技術などが低下していくのは避けられない。やはりもうここを歩くことはできないのか。いや、最後に西穂から槍までを完歩してみたい。これは登山を続けてきた中でいつも思ってきたことであり、毎年歩いてきた北アルプスの山行での集大成としたい。しかしこの山岳ルートは国内でも屈指の難ルートであり、単に「行きたい」というだけで挑む訳にはいかないのだ。

そんな中で、ある記事を見つけた。信濃毎日新聞で「41年ぶりのジャンダルム 険しい岩稜、歩き通した喜び<山と人と信州と>」で、41年ぶりに西穂山荘から穂高岳山荘へと縦走した記事だ。高校生で登山を始め、まだ登頂していないジャンダルムへ41年ぶりに山頂を目指す。そして無事に穂高岳山荘に着いたときには、「もう、二度と来ることはないだろう」と歩き通した喜びを感じたという内容だ。そんな記事に後押しをされたのか、準備を着々と進め、天気と休暇を合わせて新穂高へと向かう。多分、自分もこれが最後になるだろう。

今回計画するのは、まずは新穂高からロープウェイで西穂山荘へ。次の日に山荘を出発し、独標、西穂を経て間ノ岳、天狗ノ頭へ。天狗のコルからコブ尾根ノ頭まで一気に登り、ジャンダルムからロバの耳へ。ロバの耳を下降し、馬ノ背から二日目の目標、奥穂高岳。そして宿泊地の穂高岳山荘へ下りる。三日目は涸沢岳から奥壁バンドを経て北穂高岳。北穂高小屋からは核心部の大キレット越え。飛騨泣きから長谷川ピークを歩き、南岳小屋。南岳からは中岳、大喰岳への稜線闊歩で、槍ヶ岳へを目指す。最終日は槍ヶ岳山荘から飛騨沢を下りて槍平から新穂高へと戻るという、三泊四日の長い行程だ。何と言っても西穂から奥穂、そして槍までの縦走路は例年何人もの登山者が遭難しているところ。体を慣らすために御嶽、中アの麦草岳と登ってきた。飲料水、行動食、万が一のための無線やビバーク用装備など、持っていくものはいつものとおり。

ロープウェイに乗るのは初日の8月28日。蒲田川沿いの登山者専用駐車場は土日は満車だけど、今日は月曜日と平日だし、一日目は西穂山荘までなのでゆっくりと自宅を出発し、駐車場に着いたのが朝の8時頃。しかしこの判断が激甘で、様相に反して満車だ。仕方なく鍋平の登山者臨時駐車場へ向かったけど、こちらはガラガラ。まあ、のんびり行けばいいかと思ったけど、帰りは右俣林道から新穂高へと戻るとすると、ここまで登らなければならない。まあ、帰路はなんとかなるか。

ゆっくりと準備をし、新穂高方面歩道の看板に従って出発する。途中で鍋平園地に続く舗装路に出て、ひたすらロープウェイの駅を目指して歩いていく。しかしここのところの猛暑で既に汗がダラダラと流れてくる。新穂高はそこそこ標高が高いとはいえ、この猛暑では避暑とはなりえないな。

  

できるだけ木陰の中を歩いていき、有料駐車場を経てしらかば平駅に到着。まずはここから西穂高口駅まで乗車する。片道券1,800円と荷物券200円を購入してロープウェイに乗る。平日、かつお盆休みも過ぎたというのにロープウェイはほぼ満員だ。ロープウェイからはこれから歩く槍、奥穂、西穂の姿が見えてくる。天気は雲が薄く広がっているけどまあまあだ。

西穂山荘

新穂高へ向かう途中でちょっと休憩。天気は良く、ここからは笠ヶ岳がよく見える。いつ見ても美しい山だ。今回は笠には登らないけどね

  
西穂山荘

下は満車なので鍋平臨時駐車場へ。今回はここから出発。

西穂山荘

まずは看板に従って踏み跡をたどる。

西穂山荘

間もなく舗装路に出る。ここからしらかば平駅に向けて暫く歩く。

  
西穂山荘

途中に現れたロープウェイ乗り場の標識。結局はこのまま真っすぐ進んでも変わらなかったけど、とにかく暑い。日陰の多い道を選んでまだまだ歩く。

西穂山荘

まずは新穂高ビジターセンターに到着。

  
西穂山荘

ビジターセンターを過ぎるとロープウェイのしらかば平駅だ。

西穂山荘

切符を購入。片道券だけでなく荷物券も必要だ。

西穂山荘

ロープウェイに乗車。この後車内はほぼ満員に。

  
西穂山荘

ロープウェイに乗るのは8年ぶり。KUMAくんと独標に登って以来だ。

西穂山荘

西穂が見える。その左手にはジャンの頭も顔を出す。

西穂山荘

こちらは焼岳。昨年噴火警戒レベルが2から1へ引き下げられた。

  
西穂山荘

標高が上がり、槍が姿を表した。

西穂山荘

そろそろ西穂高口駅が見えてきた。

西穂山荘

西穂までの荒々しい稜線が一望。


  

ロープウェイは西穂高口駅に到着。どうやら駅の周辺の千石園地はリニューアルの工事中らしい。とりあえず駅の外に出て屋上の展望台に出てみる。ちょっと雲が掛かっているけど、目の前には笠ヶ岳。展望台の端には昔ながらの郵便ポストが置かれている。
それにしても夏休みが終わるというのにすごい人だ。しかしその姿からして登山者はほとんど見かけない。混雑はちょっと苦手なので、西穂山荘に向けて出発するが、以前登山口にあった登山届のポストが見当たらない。急いで駅に戻って探してみるもわからなかったので、係の人を見つけて聞いてみたら、ちょっとわかりにくいところにあった。なんとも出発からドタバタ。駐車場といい、今回はなんかうまくいかないなあ。

西穂山荘

西穂高口駅が見えてきた。やっぱ早いな。

  

空は相変わらず雲が所々に広がる青空。笠には雲の塊が掛かっていて、まさに北アルプスを感じさせる。そして遥か遠くには槍の穂先。ここから西穂山荘まで登り、明日から槍を目指しての縦走が始まる。

体力と時間があれば、槍から西鎌尾根を下りて双六小屋から笠ヶ岳へ、そして笠新道でなくクリヤ谷を下りていけば、新穂高を起点に北アルプス南部を周回する大縦走となる。しかしあと二日も余分に休みは取れないし、万が一足止めを食らったら更に日数を費やすことになる。勝手に仕事休むわけには行かないからね。

西穂山荘

展望台は大賑わい。大きなザックを背負っているとなんか一人だけ浮いてる?

  
西穂山荘

展望台からは笠ヶ岳。ちょっと雲が掛かっているけど、これだけ見ることができれば十分。

西穂山荘

そして遠くには槍。あそこまでたどり着けるだろうか。


  1. 地図
  2. 1
  3. 2
  4. 3

このページの上に戻る