南木曽岳 ~笹との闘い~
森の中の急登
辺りに見えるのは木々と笹のみ。たまに緩やかになったり急登になったりするけど、全体的に変化に乏しい登山道を登っていく。南木曽岳は上の原登山道以外にも南からの蘭(あららぎ)登山道があるのだけど、キャンプ場奥の登山口から山頂まではアプローチも短く、双耳峰のもう一つの山頂、摩利支天への周回が鉄板コースだ。一方、自分の歩いている上の原ルートはアプローチも長く、これといって景色がいいわけでもなく、ひたすら森の中を山頂目指して歩いていくといったコース。故に上の原ルートを歩く人はかなり少ないのかもしれない。じゃあ、なぜこちらのルートを選んだんだって? 18年前はこちらを歩いたからね。
またまた見通しの悪い急坂。疲れてきた。
悪いことに笹もちょっと張り出してきたぞ。
ズボンの裾はかなり濡れているけど、まだ漕ぐほどではない。この先、笹漕ぎになったら悲惨だ。
ここはヒノキの植林帯。
時折現れる古びた指導標。
だんだんと周りは広葉樹が多くなっていく。そしてだんだんと笹も多くなってきた。しかし高いところでも膝上くらいなのでまだまだ大丈夫だ。これ以上高くなるとちょっと考えもの。
かなり歩いてきたけど、山頂はまだまだ。
苔むした石の横を登る。
笹は生い茂ったり切れたり。やはり6月中旬ならまださほど生長はしていないため、何とか歩くことはできる。しかし、まあ、何とも退屈な登山道だ。これで涼しく乾いた風が谷からでも吹いてくれれば気持ちいいのだけど、相変わらずのジメジメ気候。
足元にギンリョウソウ。
アカヤシオの花が残っていた。
淡々と登山道を進むのみ。静かな登山道もいいけど、もうちょっと変化があってもいいような・・・。
18年前は全くと言っていいほど前方は笹に遮られてどこが踏み跡なのかもよくわからず。今回は踏み跡が明瞭なのでまだマシか。
景色が見えるといいのにね。
季節外れのイワカガミの花。
前方に大きな石が現れた。
またまた大石。山頂が近いのか?
一瞬視界が開けたけど何も見えない。
若干平坦になったかな、前方にピークも見当たらないし・・・と思っていたら、笹の向こうに赤い屋根の避難小屋が見えてきた。今回は何とか笹漕ぎは真逃れたようだ。ここまでノンストップで登ってきたので、避難小屋の中でお茶を飲む。さすがに平日だったので小屋には誰もいない。直ぐ様、ザックを背負って山頂に向かう。
笹原の向こうに避難小屋の赤い屋根。やはり上の原ルートは遠かった。
避難小屋へは分岐を右へ。
こんなに立派な建物だっただろうか? 少なくとも手前のトイレはなかったはず。小屋の中には刈払機もあったので、登山道周辺もきれいに整備されているんだということがよく分かる。
ちょっと休憩。ここまでノンストップだ。
休憩もそこそこで先へ進む。