銚子ヶ峰~別山 ~リベンジ 木村さんと見た山~
登山口まで歩け
登山を初めて今年で15年目。残してある記録を追うと木村さんと登ったのが72回。その他ソロを含めたのが148回。よくこれだけ続くもんだと思うが、ここ5年は木村さんの山行は年2~3回となり、昨年は腰痛の悪化により山に行くことができなかった。山を始めた頃は1ヶ月に1回は近くの山を目指していただけに残念でならないが、今は腰痛が完治してまた山に向かうことを願うばかりだ。
でもって今回目指すのは白山南縦走路の銚子ヶ峰。登山を始めたばかりのときに秋に木村さんと登った山だ。ここの山を提案したのは木村さん。南縦走路は石徹白から銚子ヶ峰、一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰を経て別山、白山へと続く長い長いルート。これまで能郷白山や信州の烏帽子ヶ岳、百名山の荒島岳に次々と登り、「意外にいけるね」と思っていたせいか、今回は三ノ峰までいきましょうかと軽い気持ちで出発したものの、一ノ峰でバテバテになってしまい引き返すという結果になってしまった。
完全に打ちのめされてから13年。今度はソロで石徹白から三ノ峰を目指す。自分自身久しぶりの登山とあってか、銚子ヶ峰までは順調だったのだが一ノ峰を過ぎたところで足がつるようになってしまい、三ノ峰避難小屋直下では横たわる大きな雪渓に行く手を遮られる始末。
何とか避難小屋から三ノ峰にたどり着いたものの、遂に足がパンクしてしまう。三ノ峰の先に見えるのは別山。そう、目標は三ノ峰だったのだが、あわよくば別山まで・・・と欲を出していたのだが敢えなくここで引き返すこととなった。
そういえば15年前にも木村さんと「三ノ峰なら何とかなりそうだけど、別山まではちょっとね・・・。」と話していたっけ。しかし本当に別山まで行けないのだろうか?
今回は2年前、更には15年前に遡ってのリベンジ。石徹白から銚子ヶ峰、三ノ峰を経て別山まで行けるかどうかのチャレンジ。今月は月初めに中央アルプスの摺古木山から安平路山ピストンも歩いているので体調も十分。15年前に木村さんと一ノ峰から見た二ノ峰、三ノ峰と続く縦走路の先にそびえる別山を目指す。
実は今回の山行の一週間前にもこちらに来ていた。日の出とともに登山口を出発しようと暗い中を車を走らせ、白鳥高原から石徹白へ来たものの、途中で「大杉林道通行止」の看板。マジか~!!! と思いつつも真っ暗な大杉林道を進んでいくと、案の定途中で通行止めの看板。手前に数台車を停めることのできるスペースがあり、一台の車が停まっている。
車から降りてみると頭上は満点の星空。天の川もはっきり見える。しばらくすると停まっていた車から男性が出てきた。聞くとできれば別山まで行く予定らしい。その姿は軽装のトレランのようなので時間的には大丈夫だとは思うが、やはりここから登山口まで林道を歩くとのこと。
でもって自分はどうするかというと・・・はっきり言ってここでスイッチが切れてしまった。登山口から別山へピストンするのにかなりの時間を要するのは承知の上だったが、往復の林道を歩くのは想定外。ここは予定を変更して途中の大日ヶ岳にでも登ろうと来た道を引き返す。
そして登山口のある檜峠に戻ってきたものの、一度オフになってしまったスイッチはオンにはならない。まだ日の出までは時間があるが、今回の登山は全面中止とし、自宅に帰ってしまった。
帰宅後に大杉林道の状況を調べてみると、郡上市のサイトで5月8日から土砂崩れのため通行止と掲載されている。こればかりは事前調査がなってなかったと反省。
結局何もせず帰宅してしまったが、なんかモヤモヤだけが残ったみたいだ。これを払拭するために一週間後に再度石徹白に向かう。どうやら通行止箇所から登山口までは徒歩で一時間ほどかかるとのこと。日の出時刻に登山口を出発できるように真っ暗な中で準備をする。
心配なのが通行止でしばらく人が山を歩いていないことから熊などの獣に遭遇しないかということ。雪倉岳への鉱山道を歩いたときのように熊鈴を2個鳴らしながら久々のナイトハイクだ。
まだ日の出前の暗い中を大杉林道を歩いて登山口へ向かう。
それにしてもここのところ能郷白山や摺古木山と登山口までひたすら林道を歩く行程ばかりだな。まあ、いつもの如くウォーミングアップとしてはいいか。空には大接近中の赤い火星が明るく見えている。
通行止の看板を過ぎてすぐに右側の崖が崩れている箇所に出くわした。しかし道路は脇に30cmほどの石が転がっており、既にほとんど撤去されている。しかしいつまた崩れてしまうかもしれないため通行止としているのだろう。
舗装された林道を歩くこと約45分で登山口に到着。さすがに車は一台も停まっておらず、もちろん人もいない。小休止の際にあらかじめ準備しておいた2枚の登山届のうち1枚をポストに入れておく。
通行止めの看板。登山口手前約3.7kmの地点のところ。
林道を歩くこと45分。駐車場が見えてきた。
ここが休憩舎。辺りが明るくなってきている。
休憩舎に登山届ポストがある。
ちょっとわかりにくいけど、登山届の一枚をポストへ。
もちろん辺りには車も人もいない。
白山南縦走路の登山口。ここが別山へ向かう実質の出発点だ。
休憩舎のベンチに座って小休止。そして日の出時刻に合わせて登山口を出発する。登山口の看板は木村さんと登った15年前のものと比べると微妙に違っている。何年か前に新しくなったんだろうね。
最初は大杉まで340段の石段の上り。結構これだけでも一段一段上っていくと疲れるね。
大杉が見えてきた。二年振りの再会。
石段をひたすら歩いて大杉のところにやってきた。二年前に訪れた時と同じ、雄大な大木だ。登山はやらなくてもこの大杉だけを見に来る人も多いとか。
しかし今は林道が通行止のため訪れる人は少なくなっているだろう。ちょっと寂しさも感じるが、この大杉がこれまで生きてきた時間からすればほんの僅かなこと。林道が開通してまた人が訪れるようになればいいね。
早朝の大杉。林道の通行止で最近は訪れる人も少なくなり寂しかろう。
大杉から先は若干草が踏み跡に張り出している。これも二ヶ月近く手入れがされていないせいだろうか。しかしそれもつかの間であり、快適な登山道になった。やはり山道は人が歩かなければどんどん荒れて廃道化してしまうことがよくわかる。
道は急坂になったり平坦になったりを繰り返しながら高度を上げていく。急坂とはいってもさほど斜度はきつくない。早朝の餌時なのか、鳥のさえずりや時々キツツキが木をノックする音を聞きながらまずは神鳩ノ宮避難小屋へ。
生い茂った樹林帯の中を登る。まだ薄暗い。
間もなく登山口から1km地点。
そして2km地点。三ノ峰まで登山口から1kmごとに標柱があるのでわかりやすいね。
足元には小さな花がたくさん咲いている。アカモノっていうらしい。
早朝で誰もいない快適な登山道はいつ来ても気持ちがいい。登り→平坦→登りを繰り返していくと、そろそろおたけり坂だ。避難小屋までの行程で最も急な箇所だけど、ゆっくり行けば大丈夫。
ひと登りして途中にある雨やどりの岩屋で振り返ると、木々の隙間からはピラミダルな野伏ヶ岳が見える。あそこにも登りたいんだけどね。どうやら登山道が無いとのことなので、雪が積もったときしかないかな。その北の薙刀山、よも太郎山、願教寺山も面白そう。しかしいずれも登山等がないので冬期の登山になるね。
おたけり坂を登りきってしばらく平坦な道を進むと3km地点。避難小屋はまだ先だ。
おたけり坂に差し掛かる。ここからはちょっと頑張って急登を登るけど、マイペースを守ればさほどきつくはない。登る距離も短いのでたまに振り返って景色を楽しむのも良い。
二年前も見た花。名前は未だわからない。
途中の雨やどりの岩屋で一服。ここで振り返ってみると・・・