笠ヶ岳 ~強い心で~
雷鳥が迎える稜線
さすがに稜線まで一気に登るのはしんどい。途中で一息入れながらひたすら登っていく。そしてようやく見えてきた。頭の上は青空。ということは稜線に辿りついたということ。
木村さんが「もう登らなくていい?」とつぶやいたのを思い出す。まさに今その気分だ。
いつも思うのが笠はどこから見ても笠の形。
ここを登りきれば稜線に出れそうだ。何とか足もついてきている。
ようやく抜戸岳からの稜線に到着。と同時に笠ヶ岳方面から年配の団体が登ってきた。と思ったらいきなり全員立ち止ってしまった。
どうやら先頭が先で休憩しようと止まったもんだから全員がその場で止まってしまったということ。ちょっとしたプチ渋滞。ガイドがいるのだから何とかしてほしいよね。いい年なんだから自分で状況をちゃんと判断しようよ。
抜戸岳への分岐。ここをまっすぐ歩けば抜戸岳。一息入れて逆の笠ヶ岳山頂に向かう。ここからの稜線歩きも長かったっけ。
ハイマツの向こうに笠へ続く稜線。ようやくここまで来たよ。
そしてここまで頑張ったご褒美。いままで見えなかった黒部五郎岳と薬師岳が姿を現した。昨年黒部五郎は登ったね。
稜線を笠に向かって歩いていると、ちょっと向こうに一人のお姉さんがカメラを構えている。ハイマツに隠れて見えないが、多分お連れさんを撮っているんだろうと立ち止ったら、「こっちこっち!!」と手招き。よくよくハイマツの方を見てみると雷鳥がいるではないか。
急いで熊鈴が鳴らないようにする。カメラを構えても逃げる気配はない。というか、彼らはこちらを全く気にしていないようだ。
でも雷鳥に出会うなんて丸々一年ぶり。今年は無理かなと思っていたけどラッキーだ。
穂高をバックに「何と贅沢な光景」と教えてくれたお姉さん。まるでこの山の主のようだ。
笠の山頂まで延々と稜線が続く。逆は抜戸岳を経て大ノマ岳、弓折岳へと続く。後からわかったのだが、中央アルプスまで見えていた。
思えば木村さんと訪れた時はガスの中、笠の山頂もどこかわからずひたすら稜線を歩いていた。
思えば木村さんと訪れた時はガスの中、笠の山頂もどこかわからずひたすら稜線を歩いていた。今日はガスも無く目の前には見事なまでの笠の雄姿。これが穂高や槍に登っているときにいつも見守ってくれていた笠の姿を間近で見ている。
抜戸岳分岐からは比較的緩やかで平坦な道だ。ちょっと下る先に独特の岩が見えてきた。このルートの名物、抜戸岩だ。とはいっても難所でも何でもない。岩の間を歩くだけ。
ここを過ぎるとちょっとした上り。山頂はすぐそこのようでまだまだ遠い。
眼下に抜戸岩が見えてきた。
名物の抜戸岩。切り立った岩の間を”抜ける”。
岩の間から空を見てみた。
うっすらと雲が広がる青空は既に秋空。ここから笠のテン場までちょっと頑張る。岩には「ガンバ」とか「ガンバレ あと一息」白ペンキで書かれている。テン場は笠ヶ岳山荘のちょっと手前だ。
テン場でちょっと小休止。ここからも黒部五郎から薬師岳、遠くには剱岳も見えてるぞ!!
ちょっとここから登る。山荘まで最後の一頑張り。
振り返ると歩いてきた稜線。バックは槍と大キレット。
ようやくテン場についた。無理をせずちょっと一息。
岩に書かれた「ガンバ」
「ガンバレ あと一息」よし、あと一息頑張るぞ。
テン場から見た黒部五郎岳、薬師岳から剱岳。笠からはこんな風に見えるんだ。きつかった北ノ俣岳は左端。五郎のカールは手前の稜線に隠れて見えないか。