栂海新道二日目 ~日本海への旅路~
アルプスの終わる処
国道8号線の向こうは親不知観光ホテル。
道路の向こうは親不知観光ホテル。そしてその横に日本海へ出る道が続いている。栂海新道の起終点は海抜0mの日本海だ。ホテルの前のスペースは無料駐車場となっている。ここは親不知コミュニティーロードが整備されており、目の前に広がる日本海を眺めることができる。駐車場の奥に下り場があり、「日本海・栂海新道起点 400m(急勾配 高低差80m)」と書かれている。最初は石畳の上、そして土の上を歩き、途中から石の階段となっていく。さすがに80mを一気に下りるので看板のとおり急勾配だ。
最後の頑張り、しかし足取り重く海に向けて急な坂を下りていく。最後の階段の向こうに日本海が見えてきた。
親不知コミュニティーロードの案内板。
ここから栂海新道起点、日本海へ下りていく。
最後の階段の向こうにいよいよ日本海が。
遂に到達した栂海新道起点。そして日本アルプス終着駅。
暗くなりかけた夕暮れ、遂に栂海新道起点、海抜0mの日本海に到達した。台風が近いせいだろうか、日本海の波も荒々しい。水は苦手なのでちょっと離れたところから海を望む。
まさにここが今日のゴール。そして日本アルプス終着駅。
本当に長い旅路だった。登山を始めた時に最初に日本アルプスに踏み入れたのは木村さんと登った焼岳。実に12年前のことだ。そして槍、穂高、裏銀座、黒部の山々、後立山と歩きに歩いて到達したところがここ。そう、ここから先は歩く所は無い。
恐らく日本海に到達したら感動のあまり泣くかな? きっと泣くだろうな・・・。と思っていたが、涙が出るどころか石の上に座ってひたすらボーっと海を眺めるのみ。恐らく体が今日はこれ以上歩くなと言っているのだろう。
登山者憧れの栂海新道。そしてアルプスの果てへの旅は夕暮れの日本海で無事終了した。
日の入りの時刻は過ぎた。暗くならないうちにこの景色を見ることができて良かったよ。
日本海を後にして下りてきた石段を登る。しかしこれがかなりキツい。手すりにつかまりながら一歩一歩歯を食いしばりながら上がっていく。そしてようやく駐車場に到着。さて、ここからやらなければいけないことがある。
運よく親不知観光ホテルに宿泊することができた。広い畳部屋に一人のんびりと手足を伸ばす。
これからどうするか。
予定では今日は栂海山荘若しくは白鳥小屋に泊まり、明日親不知へ出て目の前の親不知観光ホテルの風呂に入り、親不知駅まで送ってもらうはずだった(そのために事前の連絡もホテルにしていた)。しかし一日早く下りてしまったので、今日どこに泊まるかが問題。ダメ元でホテルのフロントに行き、素泊まりで宿泊可能かと聞いて見ると、何と空き部屋があるとのこと。宿泊ができない時は国道を歩いて親不知駅まで行き、野宿も覚悟していたのに、何とラッキーなことか。
広く明るい部屋でしばらく横になる。そして夕食用に買っておいた鱒寿司を食べ、浴場に行き汗を流す。なんか天国にいるようだ・・・。
そして明日は蓮華温泉へ車を回収。台風はどうだろうか。
(栂海新道(帰路)「親不知から蓮華温泉へ」に続く)