後立山縦走

後立山縦走三日目 ~不帰キレット越え~

白い鑓の峰と崖の山

  
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鑓温泉からのルートと合流。さすがにここからちょっと登山者が増えてくる。

それにしても次の白馬鑓ヶ岳は「白馬」と名前がついているだけに、この山だけが白っぽい。植生の緑色も所々しか見られず、ここから地質が変わっているかのようだ。

しばらく登山道を歩いていくと、右手の谷から登ってくる登山者が見える。この先、鑓温泉からのルートと合流するが、鑓温泉から登ってきたパーティーのようだ。
そしてルートは合流。登ってくる人たちはちょっと苦しそう。

コルから山頂に向けて登る。面白いのはここから登山道や周囲の色が真っ白になっていること。ちょっと眩しいのでサングラスをかけるほどだ。

  
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ここから山頂に向けて登っていく。辺りは白い細かい石に変わった。

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遮るものは何もなし。踏み跡に沿ってひたすら登っていく。


  
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思った以上に時間はかからなかった。白馬鑓ヶ岳山頂に到着。「鑓」といっても槍ヶ岳と違って尖っているわけでもなく、山頂は広い。点名「鑓ヶ岳」の三等三角点がある。標高は2,903.11m。

やはり白いのは石灰岩らしく、三葉虫などの化石が見つかることもあるそうだ。

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白馬鑓ヶ岳の山頂。今日の行程の最高峰。少しだけ空に近づいた。

  
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先ほど休憩した天狗山荘が小さく見える。立山から剱岳へと続く稜線も魅力的。

  
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やはり東の谷からは厚い雲。そして白馬三山の残り二座、杓子岳と白馬岳だ。今日の目的地、白馬岳頂上宿舎が小さく見えている。そこから白馬岳に目を移すと、巨大な白馬山荘の建物群。


  
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人がいないようにみえるけど、たまたま写っていないだけで、5~6人くらいはいたかな? 山頂が広いので静かだ。

途中で追い抜いたお姉さんも山頂に着いた。テントを担いでいるのでちょっとキツそう。彼女も今日は白馬頂上宿舎でテン泊らしい。鑓温泉から登ってきたらしいが、不帰ノ嶮がどんな所か聞かれた。テント担いでいても浮き石とバランスに気をつければ大丈夫と教えてあげる。

再度遠くを眺めてみる。鹿島槍ヶ岳の左奥には常念岳。ここからはいつも見えているピラミダルな形とはちょっと違うね。蓮華岳の向こうには前穂、北穂、奥穂の穂高連峰。そしてあちらの槍ヶ岳はいつもの如く尖っている。

何といっても立山と剱岳の位置関係も北へ向かうに連れてちょっとずつ変わってきているのがわかる。

  
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雲がかかってきたが、まだまだ槍穂高も見えている。ここから見る赤牛岳はマイナーな山なのだが美しい山だね。剱岳から北の稜線を辿っていくと、早月尾根の一部が顔を出している。

  
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白馬岳頂上宿舎の向こうには今回は断念した朝日岳。白馬岳から北へ三国境、そして小蓮華山への稜線も見えている。明日歩くルートだ。

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そろそろ次の山に向かうとするか。


  

白馬鑓ヶ岳の山頂にいた人が杓子岳を見て、「すげー!! 山頂右の谷は怖いぞ!!」と呟いていた。

そう、杓子岳は白馬三山の中でも最も地味で、山頂への踏み跡はあるが、メインルートはその下の巻道だ。でもせっかく来たのだから、白馬三山はすべて頂上に立ちたいもの。白馬鑓ヶ岳山頂から杓子岳山頂へのルートをしっかりと確認し、杓子岳に向けて一旦下る。

メインルートから杓子岳山頂への踏み跡を見逃さないように注意して進む。と、それらしき箇所を見つけた。指導標も何もないが、先ほど確認しているので大丈夫。薄い踏み跡に沿って登り、一旦山頂からの稜線に出る。右側は震え上がるほどの断崖絶壁。どうしてもルートの左端を歩いてしまう。
ルートが続く先に山頂を示す標識が見えてきた。

  
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まずは広い山頂から杓子岳方面へ下る。

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目の前は杓子岳。下にメインルートが延びているが、途中で分岐があるはず。

  
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ここが分岐だ。指導標も何もないので自分で見つけなければならない。

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途中に咲いていたコマクサ。この山域にも自生しているんだ。

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頂上からの稜線に出た。右側は断崖絶壁。覗くのも怖いくらいなので、どうしても左寄りに歩いてしまう。
この先に頂上の標識が立っているのが見えている。

  
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白馬岳と白馬鑓ヶ岳の間にある杓子岳。ここが白馬三山二座目。どうやら三角点は無いようだ。標高は2,812m。

かなり体力を使ってしまった。何とか杓子岳山頂に着く。山頂には誰もいない。

ここからの眺めもなかなかのもの。右手に白馬岳、左手に白馬鑓ヶ岳。後ろは切れ落ちた崖。
ちょっと他の山々が隠れてしまっているのが人気のない理由かな? 登山道は足元の悪い細かい岩屑で登りにくいというのもあまり人が来ない一因かもしれない。

これで白馬三山の二座に登った。ここからは今日の宿泊地、白馬岳頂上宿舎を目指す。目の前に見えるからすぐ辿り着けるだろう・・・と思っていたのが大きな間違いだった・・・。

  
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杓子岳山頂から右手に白馬岳、左手に白馬鑓ヶ岳。他の山々はちょっと隠れ気味。

  
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上の写真とほぼ同じ。杓子岳の山肌が歩きにくいかよく分かる。白馬岳頂上宿舎はすぐそこのように見えるのだが・・・。


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