裏銀座縦走 ~まだ歩きたい~
旅の終わりはいつも
舗装路を歩く。考えてみれば何日か振りの舗装路だ。
道はいったん舗装路に。予定通り15分ほど歩くとわさび平小屋が見えてきた。最後の休憩。これまた予定通りジュースを飲む。ここまで来ればもう新穂高は見えたも同然。ここまで明るいうちどころか、新穂高に明るいうちにたどり着けそうだ。
やはり明日平日のせいだろうか、周りには数人しかおらず、しかもみんな小屋の人に別れを告げて新穂高に向かっていく。
ここは林道が通っているせいか、比較的物は豊富だ。外には野菜やフルーツが水で冷やされているし、缶ジュースも湧水で冷たい。ここなら登山はしなくても自然を満喫したい人にも利用できるね。後から知ったのだけど、お風呂もあるそうだ。
わさび平小屋に到着。雲ノ平山荘を出発してどれだけ歩いたことか。最初はここまで明るいうちにと思ってたけど、予想以上に早く辿り着くことができた。最後の休憩もしっかりと取る。
しっかりと冷やされたネクター。ぬるかったら悲惨だ。
双六からの道。今日はよく、というか必要以上に歩いたなあ。
ジュースを飲みほし新穂高に向けて最後の林道歩きだ。小屋を過ぎるとすぐ左手にキャンプ場がある。確かKUMAクンがテン泊の練習でここに来たっけ。
ちょっと歩くと右手に笠ヶ岳の登山口。一人の男性が仲間が下りてくるのを待っている。今日の笠も絶好の天気で遠くまで見渡せたそうだ。お昼すぎからガスが出るのはいつものこと。今日はいい景色が楽しめてお互いラッキーだ。お連れさんが下りてきたけどかなりバテてる模様。まだ新穂高まで歩かないといけないよ。
自分はこのままマイペースで林道を一気に下る。
わさび平小屋を出発。ここもいずれはじっくり泊まってノンビリしたいところ。
小屋を出るとすぐにキャンプ場の看板。
ここでKUMAクンがテン泊の予行演習をしたんだね。
笠新道の入り口。笠ヶ岳も厳しい山だったが、山頂の絶景は忘れられない。
帰りの左俣林道は下っているのでいいペースで歩いていける。そして見覚えのあるゲートだ。ここで林道は終わり。そのまま道なりに進んでロープウェイ駅に出る。ぐるりと回って新穂高センターに到着。時刻は17時15分。何とか明るいうちに戻ることができてよかったよ。でも今日はほぼ16時間近くの山行だったね。昨年の黒部五郎岳は16時間半だったけど、山頂で1時間ほどノンビリしてるから今回の方が歩く時間は長かったかも。
3日間の結果。出発してから目的地までのトータル時間:30時間、水平距離:約58.7km、累積標高:約5,158m。お粗末でした。
下山届を提出して無事3日間の槍裏銀縦走これにて完了。お疲れさまでしたと最後にいつもの指導標の前でサムアップ。旅の終わりはいつもホッとするようでどこか寂しい。ようやく辺りが暗くなってきた。
新穂高のゲートに来た。ここまで来れば大丈夫。
新穂高センターで下山届を記入。
これもって終了。無事に下山できたことに感謝。
右俣を出発して左俣から帰ってきた。予定が現実になったよ。
駐車場に戻る前に新穂高センターで休憩がてらスマホの電波をつないでみる。すると木村さんからメールが入っており、御嶽が噴火して大騒ぎになってるとのこと。
どうやら自分宛に御嶽に登っていないかメールを送信したのだけど返信が無かったので心配していたらしい。早速木村さんに返信する。御嶽には登っておらず、今無事に下山しました、と。
お世話になった新穂高センター。これからも大事に利用したい。
3日間留守番していたインプレッサ。明日は8時半から仕事だ。
後に自宅に戻り、溜まっていた新聞を見たら想像していたよりも大惨事になっていることを初めて知ることとなった。
改めて亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
3日間の北アルプス山行が終わった。思えば槍に日帰りピストンしたのが4年前。その後奥穂日帰り、西穂~奥穂縦走、槍~奥穂~前穂縦走と歩きに歩いた。当初は北アルプスの山に登りたいだけという思いだったが、今となっては北アルプス山行は一年に一度自分の人生を見つめなおすところになったような気がする。
何事もうまくいくときもあれば何をやってもダメなときもある。反省することもあれば主張したいこともあるだろう。そんなこと全部ひっくるめてリセットして山を歩く。それでもって何かが変わるわけではないけど、ただ疲れてもバテてもまだまだ歩きたい気持ちだけは持っていきたいね。
3日間累計睡眠時間ほとんど無いのに明日は8時半から仕事だよ。寝坊しないようにしなくちゃ。
これも一つの人生。(おわり)