剱岳

剱岳二日目 ~暴風雨~

暴風雨の中の下山

二日目は雨、というか土砂降りと強風とガスの中を歩いたため、写真はほとんどないのでご勘弁を。

山小屋ではあまり熟睡できないのだが、昨晩はどうやら爆睡で朝食の時間前にうまい具合に目が覚める。そういえば山小屋で朝食をとるのは初めて。いつも暗いうちに出発するからね。
でもって外を見てみると・・・昨日に増しての暴風雨!! 普通ならこんな中を歩くことはしない。朝食後もしばらく様子を見てみるが、雨風ともに弱まる気配がしない。このまま時間を無駄に費やしても下山時刻が遅れるだけなので、出発の準備をする。しかし、昨日ロストしたところやこれから歩くところが心配なので改めて地図で確認していると、小屋のスタッフさんが声を掛けてくれた。よくよく聞いてみると、一服剱からくろゆりのコルまでの道は今は廃道気味になっているとのこと。剱御前小舎へは剣山荘の玄関を出た先の分岐から直登するか、剱澤小屋経由の二通りのルートがあるが、心配なら剱澤小屋経由で行ったほうがいい、と教えてもらえた。

まだ外の様子は荒れ模様だけど、小屋の人達にお礼を言って出発する。外にいた宿泊客が「お気をつけて」と声を掛けてくれる。まずは石を伝って剱澤小屋へ向かおう。

  

何とか剱澤小屋に着いた。地図ではここから南へと剱沢のテン場の方向に向かうはず。踏み跡をたどっていくと小さな建物が現れた。何とここはテン場のトイレ。しかしここからどう行くのかさっぱりわからない。雨と風はどんどん強くなってきており、視界も悪い。左の尾根に踏み跡らしきものがあるが、GPSで確認すると全く違う。
ここはまずテン場方面に向かい管理棟に立ち寄ってみる。するとスタッフさんが出てきたので、剱御前小舎へのルートを教えてもらう。やはりこの天候では視界が悪いし、初めて歩く者にとってはちょっとわかりにくいかもしれない。実際、先を歩いていたパーティーが途中でどちらに行っていいのか迷っていたようだった。

剱岳

剣山荘の中から外を見る。ハイマツが雨と風で吹き飛ばされそう。

しかし、すごい雨と風だ。途中立っていられないほどの突風が吹き、雨粒は容赦なく顔を叩きつける。今週は台風が直撃したが、同じ週に二度台風に出くわしたようだ。踏み跡には岩に沿って水が絶え間なく流れ、ガスも出てきた。これが山の天気なんだということを思い知ることになる。

別山への分岐に来た。先行者のザックカバーが飛ばされそうになっている。自分のも確認してみると、見事に風ではだけていた。案の定ザックはびしょびしょ。急いでカバーをかけ直す。何度も何度も突風で体が持っていかれそうになりながらも坂道を歩いていくと、ようやく剱御前小舎の建物が見えてきた。ここにたどり着けただけでも一安心。
ここではやることがある。建物の中に入り、昨日キャンセルしたことのお詫び。スタッフさんにこれからの行程を聞かれたが、予定をすべてキャンセルして室堂から下山することを告げると、安心されていた。ここは昨年もキャンセルしたので大変申し訳無い。

剱御前小舎からは雷鳥坂を経て室堂へ向かうのだが、下りはじめもとんでもない突風。しかし坂を下りていくにつれて徐々に風は弱まってきた。ここはひたすら下りていくしかない。浮石の多い中を気をつけて進み、橋を渡ると雷鳥沢キャンプ場だ。雨の中、ベンチに座って小休止。何とかここまで来れば大丈夫かな。

  
剱岳

エンマ台展望台近くにある火山ガス情報ステーションで雨宿り。カメラケースもビショビショだ。カメラ壊れないか心配。

しかし立山は初めての自分にとって、改めてこの界隈のルートを知ることとなる。ここから室堂まで軽快な道かと思ったら、アップダウンのきつい階段のオンパレード。特に上がりの階段のキツイこと。まだ晴れていて景色もいいなら軽快な散歩道なのだろうが、雨風の中を重いザックを背負って階段を上がるのはとてもしんどい。

雷鳥荘を過ぎた辺りから硫黄の匂いがしてきた。辺りを見るとたまに火山ガスセンサが立っている。現在地獄谷の遊歩道は立入禁止。エンマ台展望台から地獄谷が見えるらしいが、そんな余裕は無し。近くの火山ガス情報ステーションで雨宿りがてらようやく今日の二枚めの写真を撮る。

ガスに覆われた立山は歩いても辺り真っ白だろう。何よりもあの突風でまともに立っていられるかどうか。
気を取り直して歩き始める。ミクリガ池を過ぎ、広い遊歩道を歩いていくとようやくライブカメラでよく見る場所に着いた。ここがターミナルだ。
写真を一枚撮っておこうと思ったけど、タイミング悪く中国からの団体が到着したところで、石碑の前で大声で騒ぎ始めた。ここの撮影はパス。ターミナルの建物に入る。


  

建物に入り、階段を下りていくと多くの観光客やお土産屋。ここが立山観光の起点になっているんだ。
しかし、予定を大幅に変更したため、室堂から電鉄の駅までのアクセスは予習していない。切符をどのように買ってどこの乗り場に行けばいいのか、さっぱりわからなかったので、案内のお姉さんに聞いてみる。
まずはここから美女平までバスに乗り、電鉄富山駅まではケーブルカー。そこから富山方面に向かうことができるとのこと。切符も電鉄までまとめて買えるそうなので、早速切符を調達し、次の美女平行きのバスを待つ。

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ここが室堂ターミナル。観光客で賑やかだ。

  
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後から気付いたが、電鉄富山行きの切符を買ってしまった。

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カメラのレンズが曇ってしまう。帰ったらメンテしなくては。

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バスは1番乗り場の美女平行きに乗る。


  
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ターミナルを出発。ここでも辺りは真っ白。

ザックをバスのトランクに入れ、美女平に向けて出発。室堂から美女平までの区間は立山高原バスという名称で、立山駅から東の扇沢駅までの立山黒部アルペンルートの一部となっている。
窓から外を見ると、ガスで真っ白。あたりの景色は何も見えない。そして相変わらずの雨風。この場所でこんな天候だから立山の稜線はもっと荒れているだろうな。

1時間ほどの乗車で寝てしまうかと思ったけど、途中称名滝や仙洞スギなどを見ながらの観光だ。そして美女平駅に到着。ケーブルカーの出発時刻まで少々待つ。

  
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バスは美女平へ。

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天気がいいと絶景だけど、今日はだめだ。

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この天気で登山を諦めた人も多いだろう。

  
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途中の弥陀ヶ原のバス停に到着。

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ここが弥陀ヶ原らしい。こんな天気なので雰囲気すら味わえず。

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有名な称名滝。バスが一時停止してくれる。

  
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ここから滝へ向かうことができるらしい。

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こちらも有名な立山杉の仙洞スギ。樹齢は300年以上らしいよ。

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美女平駅でしばしケーブルカーを待つ。


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