後立山縦走二日目 ~双耳峰からキレット、グラートへ~
岩を掴んで五竜へ
北尾根ノ頭から下り、再度岩場の登りが始まる。汗を吹き出しながら急登を登っていくと、岩に「G5」の文字。そうか、ここがおじさん達の言っていたG5だ。
G5の「G」とは「グラート」の「G」。「グラート」とは、ドイツ語で岩尾根の意味。涸沢から白出のコルのルートにあるザイテングラートが有名だね。
五竜岳は山頂北からの岩尾根にG0から順次名前がついているらしい。山頂がG3らしいから、この先にG4があるはず。しかしどこがG4かは結局わからずじまい。いつの間にか通り過ぎてしまったようだ。
ここからは再度きつい登り。周りに人はいないが、石を落とさないように。
G5の岩峰から五竜岳。なんなんだ・・・まだまだ登らなくてはいけない。
岩に書かれたG5の文字。
滑りやすいガラバだったり・・・。
所々岩場だったり。ちょっと手強い。
岩を掴んでひたすら頭上に向かって登る。鎖やペンキマークがあるので心強い。
振り返ると口ノ沢コルからの険しい登山道がよくわかる。こちらから見ると北尾根ノ頭の手前の岩尾根がG7らしいよ。
そろそろ山頂かな?
っつーか、まだ登山道は続いていた!!
息を切らして登りきったと思ったら、まだ先に頂上への道が続いていた。登りきったところは五竜山荘への分岐。山頂はここからちょっとだけピストンすることになる。
一瞬、鷲羽岳を思い出してしまった。あそこも山頂だと思ったら、まだまだ先に続いていた。しかし山ではよくあることだね。
口ノ沢コルからの標高差約400mを登りきり、五竜岳山頂に着いた。思っていた以上に山頂は狭い。大人数のパーティーが複数やって来たら溢れてしまいそう。まずは腰を下ろして息を整える。北に続く稜線には赤い屋根の五竜山荘が眼下に見える。東側の谷からはどんどんガスが上がってきているようだ。その先には唐松岳、更にはちょっと雲で隠れて気味だが白馬岳。
そして歩いてきた八峰キレットは谷からのガスに隠れつつある。剱岳にも雲がかかってきた。
時刻は10時半ちょっと前。五竜山荘は眼下に見えているので、ちょっぴりのんびりできそう。
剱岳をバックに五竜岳頂上。標高は2,814.3m。五龍岳とも書かれるが、間違いではない。
山頂から北側。眼下には五竜山荘、その向こうの山は唐松岳。右側に延びている八方尾根は歩きやすく、後立山の中でも人気のあるルートらしい。そしてその向こうは雲に隠れそうな白馬岳。
こちらは歩いてきたルートと立山・剱。せっかく山頂だというのに八峰キレットも隠れつつある。
剱岳にも雲がかかってきた。もうすぐお昼だから仕方ないか。
山頂から見下ろすと小さな池塘。名前は調べたけどわからず。
今日のゴール、五竜山荘。近いようでまだ遠い。
三角点・・・かと思ったら既に廃点になっていたらしい。倒れてはいるが柱石は盤石とともに現存。
五竜岳の名前の由来については、山頂直下に「武田菱」に雪形が現れ、「御菱(ごりょう)」と呼ばれたことから、「ごりょう」が「ごりゅう」に転訛したという説がある。これを覚えておいて欲しい。
十分すぎるほど休憩を取った。今日もお昼前には山荘に着けそう。