後立山縦走二日目 ~双耳峰からキレット、グラートへ~
久々の岩場
北峰から下り、本ルートに戻る。周りは人の気配がしない。分岐の指導標が示す「キレット小屋 五竜岳」の方向にあるきだす。最初は足元の悪いガラ場をひたすら下っていく。振り返ると頭上に北峰。山頂がどんどん離れていく。
足下には「この付近の谷側はガケになっています。滑落要注意」の看板。ちょっと物騒だが、このような注意書きがあるのは山では親切な方。何も無いのが普通だ。だから集中力を切らさないように歩かないと時と場合によっては命にかかわってくる。
日の出を楽しむのはこれで一息。ここからはキレット越え。
今日も青空。静かな山を歩く。
今日目指す次の山頂、五竜岳。
滑落注意の看板。確かに右側は崖だ。
それにしても登山者がたくさん登ってきたと思われる鹿島槍ヶ岳南峰なのだが、辺りに人の気配が全く無い。鹿島槍ヶ岳に登って帰っていく人たちも多いようだ。考えてみれば後立山南部の盟主。ここに来ただけでも満足できるのもわかる。
また、南峰から吊尾根への下りや北峰から八峰キレットへの難所を敢えて避けているようでもある。
下りてきた岩場を振り返る。岩場は久し振り。
お~北峰からだいぶ下ったな。
八峰キレットは南岳~北穂高岳間の大キレット、明日歩く予定の唐松岳~天狗ノ頭間の不帰ノ嶮(かえらずのけん;不帰キレット)と並んで日本三大キレットと呼ばれているそうだ。
その中でも八峰キレットは比較的歩きやすいところ。しかし久々の岩場なので最初は調子が出なかったが、徐々に体が思い出してきた。
行く手には五竜岳。コルからあそこへの登りがかなりキツそう・・・。
次の山頂は五竜岳。途中でキレット小屋や北尾根ノ頭、口ノ沢コルとアップダウンも激しい。
キレット小屋はまだ見えず。
まだまだ急な岩場の下りが続く。
急な岩場は鎖が設置されているので安心。
KUMAクン苦手のトラバース。しかも岩場だ。まずは鉄の橋の上を慎重に進む。
岩に取り付けられた鉄の橋と鎖。どうやらここが八峰キレットの核心部か。鎖には「ここがキレット 手元足元バランス取って慎重に」と書かれた木札が掛かっている。
ここを過ぎると左の谷がスパッと切れ落ちた細い登山道。行く手には岩の間に小さなハシゴが架けられている。
左側の谷が切れ落ちたキレット核心部。でも歩く所がこれだけフラットで幅があるのでまだマシだ。
キレットに設置されたハシゴを登る。
ちょっとここから急な岩場を登っていけばクリア。
あそこのV字になっているところから歩いてきた。
反対側にも「すれちがい注意 気をつけて渡れ」の看板。
この先も岩場のトラバース。落ちたら一巻の終わりだ。
核心部とはいえ、浮き石や路肩に注意し、鎖に頼りっぱなしにならずに集中すればさほど難しい箇所ではない。
しかし今は自分しかいないが、大勢のパーティーがすれ違うには大変だろう。ましてや岩場に慣れていない人が多いとお互いのリーダーの判断や指示が問われるところ。