白馬岳

ひねくれ者はシーズンを少しずらす

  
  

シーズンとしては中途半端な時期だけど、静かな白馬をイメージして山行を決めた。 まさか、頂上を独り占めできるなんて・・・

  

◆行程

平成26年6月1日(日)~2日(月)白馬岳

<1日>

猿倉 6:09 → 6:57 雪渓取付 → 10:40 頂上小屋 11:15 → 12:01 旭岳 12:07 → 12:38 稜線 13:20 → 13:55 白馬岳 → 白馬山荘(泊)

<2日>

白馬山荘 6:27 → 7:30 杓子分岐 → 8:14 鑓ヶ岳 8:49 → 9:32 杓子岳 9:49 → 10:24 最低鞍部 10:39 → 11:45 白馬尻小屋 → 12:28 猿倉


  

◆出発

最近は毎週の土曜日の勤務を終えて、早めに帰ったつもりがやはり20時近くになっていた。急いで出発し、出発点の猿倉へは0時半ごろ到着車中泊する。泊まりなので、朝早くは必要ないとして5時半起きを目指すが、朝方は早く発つ人たちの物音で起こされる。

  

猿倉を大雪渓に向けて出発する。林道から登山道に変わると、残雪が出だす。沢の上を雪がかぶっているミニ雪渓状態だが崩れそうで怖い。

7時ごろに雪渓の下・・・というか白馬尻山荘の手前に出た。もちろんまだ準備中。ここらでアイゼンを装着する。

白馬岳
  
白馬岳
白馬岳
白馬岳

  

◆雪渓

雪渓には細かい石やら大きい石が転がっている。「これが落石か~」と念を入れてヘルメットも装着する。もっとも、岩レベルが来たら関係ないが・・・

  
白馬岳

上部には人がパラパラと登っている。どうもスキーヤーが多いようだ。落石に気を付け、上部やサイドをちらちらと見ながらのキツイ登りが続く。両サイドの壁では、カラカラと崩れる音が何度も起きる。

岩室の下の急な斜面に入って間もなく、杓子側の壁から1~2m四方の岩が崩れてきた。雪がないところはゴロゴロだが、雪渓に入るとシュルシュルと大きな音がしない。自分の横あたりから崩れたので自分には来ないが、下には・・・人がいる!!!

「ラクー!」と何度か叫び皆が気付いたようだ。岩は2つに割れ、2人めがけて落ちてゆく。彼らは落ちてくる経路を見極めて直前で避けて事なきを得た。その一人とは後程小屋でご一緒することになる。

  
白馬岳
白馬岳

岩室に着き、一息入れる。ここからは右に巻き山頂小屋に向けて登っていくが、ゆるい割に結構つらくて1名に抜かれる。この時間帯は、日帰りスキーヤーが滑っていく。相変わらず、カエルのようなガーガーというライチョウの声が響いている。

頂上小屋に着き、おにぎりを食べて休憩する。この小屋はまだ閉鎖中だ。


  

◆旭岳

頂上小屋に荷物をデポさせていただいて、白馬ではなくもう一つの目的であった旭岳を目指す。白馬岳の陰でひっそりとたたずむ地味なピークである。

稜線から少し降り、トレースがほとんどなくルートファインディングして尾根をのぼる。途中から夏道があり、アイゼンを外して登った上部はすでに山頂部であった。最高点は北側の奥にあるので行ってみるが、標識はない。北にうっすらと日本海!下山は自分のトレースをたどる。

白馬岳
  
白馬岳
白馬岳
  
白馬岳
白馬岳
  
白馬岳
  
白馬岳
  
白馬岳
白馬岳

  

◆白馬岳

今日は白馬山荘泊りだが、とりあえず本峰に行かないと・・・

荷物を小屋にデポして頂上を目指す。15分ほどで着いた頂上は貸切状態であった。人気トップレベルのこの山の頂上に一人きり・・・至福の時である。

  
白馬岳

信州側は崩れたガケ、越中側は比較的なだらかな地形。西に旭岳や毛勝三山、北には雪倉~朝日岳への稜線、その右に新潟最高点の小蓮華山、南に後立山連峰の稜線、遠くに槍穂などなど北アルプスがみんな見える~と興奮状態!

さらに、ライチョウのカップルがなにやら語り合っているよう・・・と見守っていると、別のオスが来て、オス同士のけんかが始まった。派手な空中戦まで披露してくれる。ライチョウが多いのは、人が少ないのもあるが、繁殖期なんだろう。

  
白馬岳
白馬岳
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白馬岳
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白馬岳
白馬岳

  

◆白馬山荘

快適な山頂でしばらく過ごして、山荘に降りてチェックインする。なんと、今日の宿泊者数は予想をはるかにしのぐ男性4名であった。で、食堂ではなく、談話室で1つのテーブルを囲む晩御飯となった。もちろん話題は山の話オンリー。

すると、一番若いと思われる男性が僕に、「明日のスケジュールは?」と聞く。僕は、「白馬三山の残り2座をピストンし、雪渓を降りる。」すると、「猿倉に先に降りて待っているので、車で大糸線の駅まで送ってほしい」とのこと。ちょっと戸惑ったが、OKした。

部屋は1部屋に一人の贅沢な“寝室“となる。1時ころ目が覚めて外に出ると、旭岳の両サイドに日本海沿岸の町の夜景が見える。また、流れ星も見える。またまた至福の時である。


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