三方崩山

登山を始めた木村さんが2年目で登った三方崩山にやっと行けた

三方崩山・奥三方岳

  

2022年5月8日

登山を始めた木村さんが、2年目で登った三方崩山にやっと行けた。
残雪の状況があまりわからないまま、冬装備も携帯して出かける。
荘川ICより国道158号から156号に入り御母衣ダムを経て道の駅手前の林道を左折するとすぐに登山ポストがある。前に車を止め登山届を出し、林道を登山口まで歩く。
登山口からは少し谷筋を歩き尾根を乗り越えてしばらくはトラバースが続く。平らな地形に乗り上げると、残雪で夏道が消えるが左から回り込むルートをショートカットして尾根に乗る。このあたりの気持ち良いブナ林の道は明確で、少し上ると三角点がある。疎林地帯になると残雪がつながり、沈まないように歩く。ただ、ここでの注意不足による失態は復路で思い知ることになる。

  
三方崩山

三方崩山

三方崩山

  

やがてブナ林からダケカンバの林に代わると灌木が目立ち、日当たりが良くなってくる。45度くらいの雪面になったところで、アイゼンとピックを出す。しかし、その後は残雪と夏道を繰り返すようになるがそのままアイゼンを装着したまま登る。
二つ目の三角点あたりから展望は良くなり、尾根は痩せて高度感が出てくる。目の前の尾根トップの左横に山頂は近くなってきたけど、東側のバットレスを従えて荒々しい様相だ。

  
三方崩山

三方崩山

三方崩山

  

近くに猿ヶ馬場山が、奥に人形山や北アルプスが見え、さらに右に乗鞍や御嶽、下方の御母衣湖などの景色に癒される。
最初のピーク状に上がると、そこからはいくつかのアップダウンがある。クライムダウン気味に降りる岩場などを経て頂上手前のピークへ。そこからは雪がつながり、ほどなく頂上に着く。

        

頂上は東面のバットレス側が展望よく北アルプスや登ってきた尾根などの景色を楽しみながら食事摂取する。東に落ちる崖の手前には地面にクラックが入り、この場所も近い将来は安泰ではないことを感じる。

  
三方崩山

体力と相談して、というか半ば強制的に本当の目的の奥三方岳に向かう。ここは雪のあるうちしか行けないと思うから何とか行きたい。すぐに鞍部へ降りるのだが、登り返しの斜面が壁のように見える。雪のつながっているルートを見定めて出発。対岸の急坂をゼイゼイと登り最初のピークに乗ると後ろに三方崩山が低く見える。そこから頂上までは棚のような尾根を適当に歩く。たまに膝まで沈むけど、ツリーホールの端が意外と固いのが分かり利用する。頂上への最後の登りは、ジェラートを削り取ったような雪面を登るが、高低差はわずかだ。

     

頂上は、白山が手に取るように見える最高の展望地である。反対は、剱、立山、薬師ラインがくっきりとしている。

     

復路は同じルートをたどり、急坂を降りてまた三方崩山への登り返しである。ルートに合流したら登ってきた往路を下山するだけである。
しかし、下山行程では2つのイベントが発生した。一つは往路での不注意によるルートミスである。残雪により夏道が消えているところで、尾根ではなく斜面に紛れ込んでしまう。こんな時は意外と左右どちらにずれたかわからなくなってしまい、大きなロスは時間切れ日没を意味するので焦ってGPSに頼る。トラバースにて尾根復帰を目指すが、枝漕ぎならぬ細幹漕ぎが辛い!そんなとき、どこからともなく、ん!?バイク?「グルルルル・・・」

三方崩山

  

えっ!?チェーンソー?獣?とっさに咳払いしたり、「わっ!」と叫んだり。でもまた「グルルルル・・・」

そんなこんなで登山道に復帰、登りできれいなブナ林と思ったところ出た。そこからすぐに下の三角点があった。 もう一つのイベントは、登りの最初にありトラバースした小規模の雪渓がバキバキに割れて崩れていたこと。タイミングが合っていたらと思うと、ちょっとビビってしまう。しかしここまでくると、登山口は近い。登山口手前の小さな沢でアイゼンの泥を落として、登山ポスト近くの車まで戻った。迷走で覚悟したヘッデン使用は、東斜面にもかかわらず日没時間が遅くなってきたことで逃れられた。(おわり)


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