
毛勝山 ~ガラガラと小崩落~
ふくらはぎが攣りそう
2017年5月22日(月)毛勝山
日曜日に富山に向けて出発する。まず向かうのは、富山平野から立山に向けて谷に入ってゆく入口にある尖山である。富山のピラミッドと言われ、富士山のような形をしている。ファミリー向けのハイキングだが、頂上から圧巻の立山剣が見られるのがよい。もちろん、明日登る予定の毛勝山も見え、テンションを上げる。




せっかくなので松倉城址など史跡にも立ち寄り、はじめ家のラーメンを食べて、道の駅蜃気楼で明日の準備に入る。
意外と暑くて寝られなかったので、早々と起きて登山口に出かける。
案の定、第4発電所からは通行止めである。車は1台もなく1番乗りのようである。
長い林道歩きを経て片貝山荘まで来ると、すぐに僧ヶ岳の登山口がある。過ぎてすぐの橋を渡り、さらに林道を進む。


堰堤が出始めると林道は荒廃気味になり、ちょっとルートファインディングしないといけないところもある。

堰堤が終わると、いよいよ雪渓である。雪はしっかりとあるので、スノーブリッジをビビりながら・・・はなかった。

しかし、ここからが落石ワールドなので早々にヘルメットを装着する。
雪渓ははじめの緩い斜面では真ん中に盛り上がったような筋があり、それをガードにして安全を図る。阿部木谷から毛勝谷に至る途中は、細い谷が続きちょっと怖い!
毛勝谷に入ると白馬雪渓のように広くなるが、時々ガラガラと音が聞こえるのでキョロキョロしながら登る。



大明神沢と別れると斜度が増してきたので、ストックからピッケルに代える。
イワヒバリが雪渓に降りてきて癒されるが、体力に余裕がなくなってきている。

さらに二俣に分かれると、左の沢をつめるが45度以上の角度があると思われる。
強く蹴りこんで登るので、雪に膝がつくようになってきた。滑落の危険はないものの、雪が柔らかいのでしっかり蹴りこまないと、かなり下にずれて疲れる。最近はアイゼントレをやってないので、ふくらはぎが攣りそうになる。

この沢は近いようで標高差800m以上あり、2時間くらい費やした。今までの山行の中で一番辛いと思った時間である。




稜線に着くとすぐに八つ峰を従える剣の雄姿が目に飛び込んできて、疲れが吹っ飛ぶ。
ここから頂上まではすぐである。
三角点のあるところは、雪がなく石の上に腰かけてお昼ご飯にする。
充分休憩するが、足のピクピク感が気になるところである。
最初の斜面は思い切って尻セードを試みるが、すぐに滑落停止体制に入るも思ったようにブレーキが効かない。こりゃダメだと後ろ向きに下る。
情けないことに、今度はピックを持つ手の筋肉が疲れてくる。

途中、「ガーガー」と声がしてオスのライチョウが滑空してきた。メスを探しているのかな?
これもまた癒される光景である。
急斜面を降り切ると、前向きでガバガバ降りてゆく。大明神沢出合あたりでは、ガラガラと小崩落が起こる。影響がないと思いながら、二次崩落がないかしばし睨んでいて写真撮るのを忘れてしまった(汗)



やがて雪渓が終わり、堰堤をいくつか越えていくけれど、往路で手間取ったところが、雪解けが進み、流れに入らないといけないくらい厄介になっていた。
無理せず、藪漕ぎ踏み跡を利用し乗り切った。


あとは林道をひたすら歩くだけである。
結局、登山者は自分以外誰もいない、完全ぼっち行であった。(おわり)