穂高

「アニョハセヨ~」

  
  

【前穂へ】

当初、白出沢から登り白出沢へ下りていくつもりだったが、前穂にどうしても行きたいのと新穂高から鍋平への登り返しも嫌なので、同室者と同じ前穂~岳沢~上高地経由公共交通機関利用コースに変更する。

  
穂高

同室者は朝食を頼んでいないとのことで、先に出発していった。朝食はフライング組が時間前から食べていたのであわてて並び、どうにか2順目で食べられたが、出発が6時とおそくなってしまった。

ガスがかかっていて展望が悪いが、南陵との分岐あたりから切れてきた。もう一つのピークに登ってから先に進まないといけないのに、分岐に戻ってきてしまう。挙句の果てに南陵を少し降りてしまう。気が付き登り返すが、早くも昨日の筋肉の疲れが出る。

  
穂高
穂高

気を持直してピークを越えると飛騨側からの風が冷たい。涸沢岳のピークまでは飛騨側を歩くことが多いのである。

涸沢岳へ霜に気を付けながら登るが、やはり梯子を上った後のプチトラバースが怖い。

  
穂高

8時過ぎに穂高岳山荘に着きしばし休憩して奥穂へ登る。ガスがかかってジャンも前穂も見えない。ほとんど通過するように穂高の最高地点を後にした。

吊尾根はほとんど岩場がなく快適に進む。最鞍部あたりで前方に見覚えのある2人組を発見する。北穂の同室者に追いついき、あんまり平らでない紀美子平で再会する。

穂高
  

前穂へはザックをデポして急斜面を登る。

30分ほどで頂上に着き展望を楽しむ。常念山脈や横尾方面、奥又白池などが見えるが、相変わらずジャンの尾根は上部が雲である。

しばし展望を楽しんでいると、北尾根を登ってきた単独者が最後のピークを懸垂下降する様子を見ることができた。

穂高
  
穂高
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【上高地へ】

さあ、あとは下るのみである。紀美子平からは同室者に同行させてもらう。さすがに下りるペースも早く、頑張って着いてゆく。

重太郎新道を急降下しながら、「登りはいやだなぁ」・・・振り返ると明神への急峻な岩壁や前穂がどんどん高くなってゆく。眼下に岳沢が黄色く色づいており、ナナカマドなどの紅葉も楽しみながら下る。

穂高
  
穂高
穂高
  

道中は急峻ながら長いハシゴや新設の階段もあり、異様に整備されている感がある。

13時前に岳沢小屋に着き遅い昼食を食べる。小屋は雪崩でつぶされるまでは岳沢ヒュッテと呼ばれていたが、名前を変えたのはげん担ぎかな?

穂高
穂高
  

なんて考えていると、2人の山ガールが同行者に「お疲れ様です!」と声をかけてきた。面識有のようである。

「どこから来た?」

「天狗のコルから・・・」

えっ?見た目と違ってスゴいなぁ~

穂高
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穂高
穂高
  

上高地へ下りる登山道はだいぶ歩きやすくなる。1時間半ほどで別世界の上高地へ、登山者は観光客に紛れてしまう。しかも中国語らしきが飛び交っている。

  

同行者と別れて、トイレを済ませて平湯行のバスへ乗る。

混み合う中、今度はハングルが飛び交っている。自分が外国人のような錯覚に陥る。そういえば稜線でも何度かすれ違いざまに「アニョハセヨ~」って言われたっけ。

穂高
穂高
  

平湯からはタクシーである。電話をするとすぐに来てくれた。鍋平への登り返しをさぼった代償は6,000円弱だった。

2日間の疲れをいやすために、駐車場の近くにある野の花山荘の温泉に浸かり帰途に着いた。(おわり)


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