穂高 ~岩の稜線歩き~
平成27年10月4~5日
鍋平P → 新穂高 → 白出沢 → 白出コル → 涸沢岳 → 北穂(小屋泊) → 涸沢岳 → 白出コル → 奥穂 → 前穂 → <重太郎新道> → 岳沢小屋 → 上高地 → <バス> → 平湯 → <タクシー> → 鍋平P
5年前の穂高は、初心者の自分には恐怖であった。奥穂に到達するものの、台風の影響で縦走を断念せざるをえず白出沢を下山することにした。
その日は帰るにしろ、白出沢の両壁からはにわか滝の連続で普段は上から見えない白出大滝の水が大きく跳ね上がって見えており、水の恐怖に怯えながらの下山であった。さらには重太郎橋に水が被さり、台風の中で樹林帯ビバークを覚悟したあの夏が懐かしい・・・
【白出のコルへ】
日曜~月曜の行程で混まない山小屋泊を狙うが、日曜日の早朝は新穂高の駐車場も満杯!仕方なく鍋平まで車を走らせる。そこからは15分ほど登山道を下山しなくてはいけない。
出遅れた感ができたが、とりあえず目標の北穂に向かうため右俣林道をひたすら歩く。穂高平小屋で一息入れて1時間20分で登山口に着く。ここからはしばらく緩い登山道となる。左下に白出沢が見えたら間もなく重太郎橋に着く。渡ってからは左岸のガケをトラバース道に沿って歩く。そこそこの高度感である。
5年前に増水で苦労した渡渉ポイントを過ぎると、樹林帯に入り尾根を荷継沢までトラバースする。
荷継沢からは延々とガラガラを上り詰める。大きな石でもガタつきビックリすることが多い。夏でも残る途中の雪渓はもうない。
新穂高から5時間ちょっとかかってヘロヘロで穂高岳山荘に着き、おにぎりをほおばる。
【北穂へ】
涸沢岳に向かって・・・ここからは初めてなので慎重に進む。南の尾根は危ないところはなくすぐに頂上に着く。お客が多いので、隣の三角点ピークへ移動する。皆さんはあまり三角点には興味がないようで、誰もいない。
ここからは危険個所があるので気合を入れようとしたら、いきなりの鎖場急降下である。涸沢のテン場に向けてストンと落ちているところを降りてゆく。ドンドン降りてゆくが、途中のハシゴに乗っかるまでのプチトラバースが怖かった。後にも先にもここが一番怖かった。
岩登りが連続して右手がダルくなるしホームセンター手袋の指先は破れるし、飛騨側からの風が強く冷え性な体質から左手の薬指の感覚がなくなる。ところどころに霜が残っており、スリップには気を付ける。
そうこうしているうちに14時前北穂に到着する。頂上広場から少し下に北穂小屋の屋根が見えている。晴れているものの雲が多く展望がイマイチで、そこそこにして小屋に行くと大勢の人でごった返している。
なんと、空いていると思った小屋が定員オーバーとのことであわててチェックインする。3人で布団2枚だというのである。布団2枚ごとに仕切られている各部屋に3人なのであるが、まあまあスペースは広い。ホッとしてウトウトとしていると、同室の人が来た。2人組である。1人の男性が話しかけてきたのでいろいろ話すと、涸沢からゴジラの背を登ってきたとのこと。山の話をしていると、どうもかなりの熟練者のようである。
夕食は生姜焼きの定食で、ご飯とみそ汁はお代わり自由がうれしい。
食後はサンセット見物である。雲が低く雲海になり槍や白山はしっかり頭を出してくれたのが良かった。アーベントロードとはいかないが、夕焼けが綺麗だった。
(二日目へ)