北アルプスとは違う
今年は登山が集中している。9月初旬に西穂～奥穂を縦走し、翌週は伊那谷の獣道を登り、次の週は前常念から常念岳～蝶ヶ岳と日帰り周回。ここで一息つきたいところだけど、もうすぐ季節は寒い冬。寒さに弱い自分にとっては体のキレがいい今のうちに険しい山は登っておきたいものだ。
昨年は奥穂から帰ってきた翌月に戸隠へ遠征に行った。10月に入ったばかりなのにいきなり雪に見舞われ、敢え無く高妻山を断念したっけ。で、その戸隠山に登る途中で気になった山々があった。蟻の塔渡りを過ぎた八方睨から西に本院岳、西岳と稜線が続いている。その先の第1峰（P1）から鏡池へ下りていけるそうだが、これがまた凄く険しいルートで一説には北アルプスの岩場よりも手こずるとのこと。昨年宿泊した宿のオーナーも、西岳は険しいし、何より時間がかかると言ってた。西岳の周回コースは西岳山頂西側のP1から鏡池までが岩場の連続であるが、北アルプスの岩場とはまた異なるらしい。昨年は早朝の悪天候もあり戸隠山～九頭竜山経由で戸隠牧場に下りていくオーソドックスなコースだったが、今回は戸隠から西岳周回に挑戦することにした。恐らく今年のハード山行の締めくくりとなるだろう。
と、この計画を二児山に登ったときに話したところ、岩好きなアッちゃんが乗ってきた。
アッちゃん駐車場に到着。昼は大混雑するハズだ。
今回も昨年と同様、戸隠奥社の駐車場からスタート。本当は鏡池を起点としたかったのだけど、このシーズンは入れないらしい（結果として朝8時前なら入れたそうだ）ので、昨年に引き続きスタートは奥社の駐車場だ。今日は10時間前後の行程。日の出直前に出発して明るいうちに戻ってきたい。日の出は6時ちょっと前なので、5時半頃出発すれば奥社手前の登山口に着く頃には明るくなっているだろう。
5時頃奥社の駐車場に着く。どうやら有料となったようだが、当然ながら係員はいない。まあ、戻ってきたときに払えばいいや。間もなくアッちゃんもやってきた。暗い中出発の準備。今年はヘッデン使う頻度多いな。
我々の他に数台車が停まっている。どうやら目的は同じのようだ。
わずかだが東の空が明るい。上弦の月も昇ってきている。
東の空を見上げるとわずかに明るい中、上弦の月が昇りつつある。だんだんと周囲が明るくなってきた。自分は一年振り、アッちゃんは初めての戸隠だ。まずは参拝道の入り口の鳥居で登山の安全を祈願する。ここから奥社手前の登山口まで30分ほど歩く。随神門を過ぎ、樹齢400年を超えると言われる杉並木の真っ直ぐの道をひたすら歩いていく。
辺りが明るくなってきた。どうやらヘッデンも必要なさそうだ。今日は長丁場なので丁度いいウォーミングアップ。最後の石段を登った左手が登山口だ。既に用意してあった登山届にアッちゃんの名前を書いて提出。
さぁ、今日も気合いを入れて登るぞ！
かろうじてフラッシュ無しでも写るかな？ ヘッデンの出番も短いようだ。
参道入り口の鳥居で頭を下げる。無事戻ってこられますように。
奥社へ一直線の参拝道を歩く。
登山道は最初から険しい登りだ。時には木の根を掴みながら登っていく。二人とも寝不足なのか、いまいち調子が出ない。今日は長丁場なので最初から飛ばすと後半にバテてしまうので、ゆっくり気味のペースで登っていく。ようやく日が昇り、戸隠の岩肌が明るくなってきた。アッちゃんたまらずフリースを脱ぐ。今日の天気は期待が持てそうだ。
よくよく辺りを見渡すと、所々木々の葉が色づいている。しかし紅葉を満喫するにはもうちょっと高度が上がらないといけないようだ。
目の前に岩の壁が現れ、そこに向かって一登りすると五十間長屋。ここから岩を巻くように進んでいくと百間長屋に到着。ここでザックを下ろして小休止する。戸隠初体験のアッちゃんはその険しい岩肌に唖然。
アッちゃんの名前を書いて登山届を提出。
戸隠の稜線を照らす朝日。今日の天気は期待もてそうだ。
いきなり厳しい登りが続く。今日は長丁場なので最初はゆっくりと。
周りを見渡すと少しずつ色づいているようだ。
日は昇った。木々の間から険しい戸隠の山々が露わになってくる。
厳しい登りがまだまだ続く。アッちゃんたまらずフリースを脱衣。
ようやく五十間長屋に到着。きつい登りだった。
見上げるとあそこだけ見事に真っ赤だ。
そして百間長屋。ここでザックを下ろして小休止。
百間長屋のお地蔵様。ここでも旅の安全を祈願。
戸隠の険しい岩肌にさすがのアッちゃんも唖然。でもここから更に険しくなるよ。
遠くに北アルプスの山々。
拡大すると・・・おお、槍ヶ岳！ 小槍も見えるぞ！
眼下には谷にガスが流れ込んでいる。盆地独特の朝。
百間長屋を出発したところでアッちゃんが叫んだ。
「あれ槍じゃないか？」
目の悪い自分は遠くに山が連なっているのしか見えない。すかさずカメラを覗き、望遠を最大にしてかろうじて槍を確認できた。昨年は北アルプスは見えなかっただけに、ラッキーだったね。
百間長屋より先は西岳への稜線が見え始める。あの尖ったピークが本院岳だろうか？ それより黒く厚い雲が北から広がっている。
雨は・・・降らないよな・・・。
西岳に続く稜線。ちょっとイヤな雲が出てきたか？
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